2010.05.11 Tuesday
スペインの自治州における「ミスター味っ子」の翻訳に見る地方の文化の違い
先日、Twitterの方で「スペイン語版ドラゴンボールのオープニングが面白い」とか言うつぶやきがあって、ご丁寧にもカステリャーノ語、カタラン語、そしてガリシア語と3つのバージョンが取り上げられてたんだけど、見てみると確かに笑える。
ガリシア語バージョン
カタラン語バージョン
カステリャーノ語バージョン
このつぶやきを見てた時、たまたま家にガリシア人の友達が何人か遊びに来てて、彼らも何年か振りに見るドラゴンボールのOPに興奮しまくり。挙句の果てには大合唱が始まる始末。僕的にはオフィシャルなOPよりも、何だか訳が分からない単語(ガリシア語だから)を正確に歌ってる大合唱の方が数段面白かったですけどね。
もうこの後はガリシア人のアニメトークが炸裂しまくりでした!キャプテン翼に始まり、花の子ルンルンとか、「えー、そんなのやってたの!!」って言うのまであったのですが、その内M君が、「そう言えば、グラン寿司(Gran Sushi)面白かったよね」とか言い出した。「おいおい、グラン寿司って何だ?」とか思ったんだけど、M君曰く、「グラン寿司(Gran Sushi)というのは、子供の天才料理人が主役で、毎回、天才的な閃きで色んな料理を作り、髭が生えたサムライみたいな格好したお爺さんが、その料理を食べる度に、口からカメハメ波を出すアニメ」だとか何とか。
・・・少年料理人・・・侍みたいなお爺さん・・・口からカメハメ波、・・・ま、まさか、そのアニメって・・・ミスター味っ子じゃないんですかー???とか思って、早速Youtubeで映像探して見せたら、「あー、グラン寿司だ!!!」とこれ又みんな大興奮。どうやらミスター味っ子は80年代のスペインで大人気アニメだった様です。
で、もうちょっと詳しく調べてみたらとっても面白い事に気が付きました。
先ずタイトルの「グラン寿司(Gran Sushi)」なのですが、典型的なスペイン人の頭の中にある日本料理のイメージ=「寿司」に、「偉大な」とか「大きな」という意味のグラン(Gran)をくっつけた適当な造語だと思ってたのですが、ここで、日本全土を揺るがす新事実が判明。なんと、ガリシア語のミスター味っ子では、主人公の味っ子こと、味吉陽一君が「寿司」という名前で呼ばれているという驚愕の事実が判明してしまったのです!!名前が「寿司」ですよ「寿司」(笑)、かなり可笑しいですよね??
だから、タイトルのグラン寿司というのは、「大きい寿司」とか「最高の寿司」とか、そういう意味では無く、偉大な寿司=偉大な陽一=偉大なシェフという意味だったんですね。これには驚きました!本当に!!
では、他の自治州ではどうなっているのかな?と思い、カステリャーノ版とカタラン版の情報を集めてみた所、これ又ビックリ。
カステリャーノ版のミスター味っ子は、”Ajikko: EL Rey de Sushi” (味っ子:寿司の王様)と言うタイトルが付けられています。まあ、これは「普通かな」とか思うんだけど、面白いのはカタラン語バージョンのタイトルです。カタラン語バージョンで「ミスター味っ子」は ”Petit Chef”(小さなシェフ)って言うんですって。へぇー、へぇー、へぇー。コレは面白くって、かたやガリシア版では、「偉大な(Gran)」という形容詞が用いられているのに対して、カタラン語では「小さな(Petit)」という全く正反対の形容詞が用いられているんですね。
「偉大な」という形容詞が尊敬の念を表しているのは容易に分かると思うのですが、「小さな」という形容詞も時と場合によっては同じ様な意味合いを表すのに用いられる事があります。上の例で言うと、「小さい(若い)のにやる事は偉大だ」みたいな。だからガリシア語版とカタラン語版は正反対の形容詞を使っているにも関わらず、全く同じ事を現している訳ですよ。
更に更に、このカタラン語版の「小さなシェフ」という名前が何処から来たのかというと、多分それはフランス語版に由来するものだと思われます(フランス語のタイトルは”Le Petit Chef”と言い、放送は1991年から始まっていました)。この事は、カタルーニャの置かれている社会文化及び言語状況が、マドリッドを中心とするカステリャーノよりもフランスに近いという事を表していると読む事も可能だと思うんですね。
些細な事だけど、こういう所にまで文化の違いを見る事が出来るのは面白い。いや、こういう日常生活の些細な所にまでこの様な違いが入り込んでいる所こそ、その地方の文化が人々の無意識下まで浸透しているという証拠なのかもしれませんね。
文化の違いってやっぱり面白い!
ガリシア語バージョン
カタラン語バージョン
カステリャーノ語バージョン
このつぶやきを見てた時、たまたま家にガリシア人の友達が何人か遊びに来てて、彼らも何年か振りに見るドラゴンボールのOPに興奮しまくり。挙句の果てには大合唱が始まる始末。僕的にはオフィシャルなOPよりも、何だか訳が分からない単語(ガリシア語だから)を正確に歌ってる大合唱の方が数段面白かったですけどね。
もうこの後はガリシア人のアニメトークが炸裂しまくりでした!キャプテン翼に始まり、花の子ルンルンとか、「えー、そんなのやってたの!!」って言うのまであったのですが、その内M君が、「そう言えば、グラン寿司(Gran Sushi)面白かったよね」とか言い出した。「おいおい、グラン寿司って何だ?」とか思ったんだけど、M君曰く、「グラン寿司(Gran Sushi)というのは、子供の天才料理人が主役で、毎回、天才的な閃きで色んな料理を作り、髭が生えたサムライみたいな格好したお爺さんが、その料理を食べる度に、口からカメハメ波を出すアニメ」だとか何とか。
・・・少年料理人・・・侍みたいなお爺さん・・・口からカメハメ波、・・・ま、まさか、そのアニメって・・・ミスター味っ子じゃないんですかー???とか思って、早速Youtubeで映像探して見せたら、「あー、グラン寿司だ!!!」とこれ又みんな大興奮。どうやらミスター味っ子は80年代のスペインで大人気アニメだった様です。
で、もうちょっと詳しく調べてみたらとっても面白い事に気が付きました。
先ずタイトルの「グラン寿司(Gran Sushi)」なのですが、典型的なスペイン人の頭の中にある日本料理のイメージ=「寿司」に、「偉大な」とか「大きな」という意味のグラン(Gran)をくっつけた適当な造語だと思ってたのですが、ここで、日本全土を揺るがす新事実が判明。なんと、ガリシア語のミスター味っ子では、主人公の味っ子こと、味吉陽一君が「寿司」という名前で呼ばれているという驚愕の事実が判明してしまったのです!!名前が「寿司」ですよ「寿司」(笑)、かなり可笑しいですよね??
だから、タイトルのグラン寿司というのは、「大きい寿司」とか「最高の寿司」とか、そういう意味では無く、偉大な寿司=偉大な陽一=偉大なシェフという意味だったんですね。これには驚きました!本当に!!
では、他の自治州ではどうなっているのかな?と思い、カステリャーノ版とカタラン版の情報を集めてみた所、これ又ビックリ。
カステリャーノ版のミスター味っ子は、”Ajikko: EL Rey de Sushi” (味っ子:寿司の王様)と言うタイトルが付けられています。まあ、これは「普通かな」とか思うんだけど、面白いのはカタラン語バージョンのタイトルです。カタラン語バージョンで「ミスター味っ子」は ”Petit Chef”(小さなシェフ)って言うんですって。へぇー、へぇー、へぇー。コレは面白くって、かたやガリシア版では、「偉大な(Gran)」という形容詞が用いられているのに対して、カタラン語では「小さな(Petit)」という全く正反対の形容詞が用いられているんですね。
「偉大な」という形容詞が尊敬の念を表しているのは容易に分かると思うのですが、「小さな」という形容詞も時と場合によっては同じ様な意味合いを表すのに用いられる事があります。上の例で言うと、「小さい(若い)のにやる事は偉大だ」みたいな。だからガリシア語版とカタラン語版は正反対の形容詞を使っているにも関わらず、全く同じ事を現している訳ですよ。
更に更に、このカタラン語版の「小さなシェフ」という名前が何処から来たのかというと、多分それはフランス語版に由来するものだと思われます(フランス語のタイトルは”Le Petit Chef”と言い、放送は1991年から始まっていました)。この事は、カタルーニャの置かれている社会文化及び言語状況が、マドリッドを中心とするカステリャーノよりもフランスに近いという事を表していると読む事も可能だと思うんですね。
些細な事だけど、こういう所にまで文化の違いを見る事が出来るのは面白い。いや、こういう日常生活の些細な所にまでこの様な違いが入り込んでいる所こそ、その地方の文化が人々の無意識下まで浸透しているという証拠なのかもしれませんね。
文化の違いってやっぱり面白い!