地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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僕的には大ニュース!幸福の画家、ラファエロ・サンツィオ(Raffaello Sanzio)の新作発見:価値観の多様性とは
一昨日から各国メディアはどれもコレもギリシャ危機やそれに伴う金融不安の話題ばかりなんだけど、そんな「経済、経済、経済!!」の見出しの脇にチラッと、僕的にはかなり気になる記事が載っていました。

“Los expertos certifican un nuevo cuadro de Rafael”

「専門家達はラファエロの新たな作品を確認した」


そうなんです!何でもイタリアの小都市モデナ(Modena)でラファエロの手による絵画が新たに発見されたそうなんです!!



今回新たに発見された作品: La Perla de Modena



プラド美術館所蔵のSagrada FamiliaLa perla

元々この絵画は現在スペインのプラド美術館に飾られているラファエロ作品、Sagrada Familiaの中のLa Perlaのコピーだと言われていて、長い間、モデナ・エステンセ美術館La galleria Estense de Modena)に収蔵されていたそうなのですが、「コピーにしては額縁が良すぎ」とか疑惑を持った学芸員がフィレンチェのArt Test研究所(Laboratorios de Florencia Art-Test)に絵画を持ち込み、詳しく調べた所、ラファエロの新作だと言う事が判明したそうなんですね。

実は僕はラファエロの大ファンで、ヨーロッパ中でラファエロ巡礼なるものを慣行しているくらいなのですが、と言うのも、5年程前にローマのヴァチカン博物館に行った時に見た、「アテネの学堂」があまりにも素晴らしく、大変な衝撃を受けてしまったからです(地中海ブログ:ラファエロ・サンツィオ(Raffaello Sanzio):アテネの学堂(Scuola d'Atene)。



それ以来、事ある毎にラファエロの作品を探しては旅に出ると言う、結構幸せな日々を送っています(地中海ブログ:ミラノ旅行その6:ラファエロ・サンツィオ(Raffaello Sanzio):アテネの学童下書き(La Scuola di Atene- cartone preparatorio))。

最近見た中ですごく良かったのは、同じくヴァチカン博物館の絵画館所蔵のお宝中のお宝、ラファエロの精神的遺書だと言われている「キリストの変容」ですね。



もう構図といい、色使いといい、その迫力といい、素晴らしいの一言!



彼の作品は本当に優雅で、優しさに満ち溢れていて、見ているだけでコチラの気持ちを幸せにしてくれるかの様です(地中海ブログ:
幸福の画家、ラファエロ・サンツィオ(Raffaello Sanzio):キリストの変容(Trasfigurazione)。日本語で読める数少ないラファエロ関連書籍の内の一つ、フォシェン(Henri Focillon)の訳書のタイトルが、「ラファエッロ−幸福の絵画」って言うのも、彼の人生そのものを表しているかの様で、これ以上は無いと言う程ピッタリの訳だと思います。

さて、そんなラファエロ大好き人間の僕から見たら、今回の発表はものすごい事なんだけど、世間ではどうやらそれ程でも無いらしい。ちなみに今、GoogleYahooで検索したけど、日本語でこの情報を伝えているニュースやブログなどはゼロ。ラファエロってレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと並ぶ、盛期ルネサンスの三大巨匠の一人で、イタリア・ルネサンスの古典主義様式の完成者って言われてる程なんだけど、どうも日本ではイマイチ知名度&人気が低い様です。


まあ、僕達の社会は多様で、この多様性こそが社会を豊かにしている源泉なんだから、僕みたいに「ラファエロ大好き」って言う人も居れば、「なんだソレ?」って全然気に留めない人が居るのも又然り。つまり、ラファエロの絵画を見るに付け、人生が豊かになる様な気がする人もいれば、ラファエロの絵なんか見たって、特に何も感じないし、そんな事に時間を費やすくらいなら、「ニコ動でも見て癒されるか−」という人もいると、まあ、唯それだけの事です。

そんなラファエロの絵に心底癒されてしまう価値観を持っている僕からしたら、最高に感動するのが何時も引用する彼が残したこの言葉です:

「我らの時代こそ、かつて最も偉大だった古代ギリシャの時代と肩を並べるほ ど素晴らしい時代なのだ」  ラファエロ

自分の生きた時代をこんな風に誇る事の出来る人生。あー、何て素敵な人生なんだろう。何度聞いても感激すると同時に、この言葉を聞く度に僕は何時も自問自答してしまいます:「果たして僕は、今自分が生きているこの時代、そして自分の人生を「最高だ」と言う事が出来るのだろうか?」と。

こんな気持ちを思い出させてくれるラファエロは、やっぱり僕にとっては最高の存在です!!
| スペイン美術 | 20:54 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
Cruasanさん、こんにちは。
ラファエロの作品発見だなんて!私的にも大ニュースです!!
でも、日本では国内のニュース番組でもワールドニュースでも。
取りあげていなかったと思います。(全部見た訳じゃないですけど・・・)

私もバチカンのアテネの学堂には圧倒されました。
あの迫力と聖母の柔らかな頬笑みが同じ人物の手から描かれるなんて、感動です。

フィレンツェではウフィッチ美術館で「ひわの聖母」を見ましたが、
そこで時間を使い果たしてしまい、
一番見たかったピッティ宮の「小椅子の聖母」が見れなかったので、次回のフィレンツェはそちらから廻るつもりです。
「ラファエロ−幸福の画家」・・・素敵ですよね。

美術館で作品に触れるのが大好きなので、
また何か新しい情報があったらUPして下さいね。
楽しみにしています!



| Grace | 2010/05/12 3:59 PM |
Graceさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
フィレンチェ行かれたんですか?
実は僕はまだ行った事がありません。今年のセマナサンタあたりに行こうと思っていたのですが、仕事の関係で行けず。僕のフィレンチェ訪問はもう少し先の事になりそうです。
今回のラファエロ絵画の発見は結構大ニュースだと思うのですが、日本人と言うのは、明らかに好みの傾向があって、レオナルドとか、フェルメールとか、カラバッジョとかは大好きで、毎年のように沢山の書籍とか出てるんだけど、ラファエロとかって、すごく重要な画家なのにさっぱり関連書籍が無いんですよね。
これはこれで日本の特徴を現していて面白い事は面白いのですが・・・
又何か美術関係あったらレポートしますので、良かったら、又見てください。
| cruasan | 2010/05/13 6:05 AM |
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