地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペイン住宅価格事情:2010年第一期四半期:スペイン経済どん底だけど、ちょっとは明るい兆しか?
今日のスペイン新聞各紙を賑わせている話題は何と言ってもギリシャの格付けがBB+に引き下げられたと言う話題です。で、「BB+って一体何だ?」とか思って記事を読んだら、どうやら「BB+=ジャンク等級」って事らしいですね。で、「ジャンクって何だ?」と思ってWikiを見てみると、一番近い項目で「ジャンク品」って言うのがあって:

ジャンク品(Junk) とは、自動車・オートバイ・音響機器・楽器・カメラ・家電製品・コンピュータ・通信機器・軍用 品・ラジコンモデル等において、そのまま使える見込みがないほど故障・損耗して、製品としての利用価値を失っているが、一般的には有用な構成部品を取り出して再利用できそうな物品のことを指す。

とある。

勿論、国の格付けで使われている「ジャンク」と、ココで言われている「ジャンク品」の間にはそれ相応の違いがあるんだろうけど、それにしても・・・って内容ですよね?ちなみにスペイン語で「ジャンク等級」は「
Bono Basura」と訳されています。Basuraってスペイン語で「ゴミ」とか「くず」って言う意味なんだけど、おいおい、ギリシャ、本当に大丈夫なのか??(冷汗)

さて、ここからは気を取り直して早速今日の話題に。

先週の新聞(La Vanguardia 20 de Abril 2010)にスペインの住宅価格事情に関する記事が載っていました。この所、スペインの住宅価格が下がり続けていると言う事は、当ブログで何度も言及してきた所なのですが、今回の記事によると現在の住宅価格は5年前(2005年)のレベルにまで落ち込んでいるそうです。

“El precio de la vivienda libre baja un 4,7% y vuelve a niveles del 2005”


「住宅価格は4,7%下落し、2005年と同レベルにまで落ち込んでいる」

「じゃあ、今が買い時じゃん」とか思っちゃうんだけど、実はココで一つ問題が。スペインでは不動産バブルが崩壊し、それに追い討ちをかけるようにして始まった世界同時金融危機の影響などから、スペインの銀行がローンを組むのを渋っているんですね。つまり住宅が本当に必要な人達(若者など)が銀行からお金を借りれないので住宅を買う事が出来ず、それらの層が渋々賃貸住宅に舵を切り直している結果、スペインでは現在、驚く程の割合で賃貸住宅契約数が上昇するという現象が起こっています(地中海ブログ:バルセロナ賃貸住宅事情:2009年第四期四半期)。

そんなこんなで、スペインでは販売住宅の価格が下落する事になっているのですが、2010年の第一四半期(1月、2月、3月)の住宅価格は2009年通年(1月から12月)の住宅価格と比べ4,7%下落し、今期の平均住宅価格は1.865,7ユーロ/m2となっています。まあ、それでも去年(2008年と2009年の通年比較)の下落率(6.3%)に比べれば、少しは落着いたみたいなのですが。

この住宅価格の推移に対してスペイン住宅省(Arquitectura y Politica de Vivienda del Ministerio de Vivienda)がコメントを発表してて、それによると、このような価格の下落傾向は地中海の弧地域(つまりバレンシアやカタルーニャ)にその影響がより多く認められるのだそうです。何故ならそれらの地域では、不動産バブル時にボコボコ建てられた住宅ストックが未だ売却されず、余りまくっているからです。

逆にスペイン北部では、今までに蓄積されてきた住宅ストックがそろそろ完売されそうな地域も出始めているのだとか。

ちなみにこのような住宅の売れ行きや価格の地域差というのは、世界中の国々で見られる傾向なんだけど、スペインという国の面白い所は、国内で最大価格を保持している都市が首都(マドリッド)では無いという点ですね。

スペインで最も住宅価格が高いのはサン・セバスチャン(San Sebastian)で、3.644,5ユーロ/m2となっています。ランキング上位にはカタルーニャ地方からも幾つかの都市が名を連ねてるんだけど、例えばバルセロナ(Barcelona)3.441,6ユーロ/m2、サンクガット(Sant Cugat del valles)3.328,8ユーロ/m2となっています。逆に一番安いのはHellin(772,7)Tomelloso(797)と言ったカスティージャ・ラ・マンチャ(Castilla-La Mancha)の各都市です。

さて、この様な状況に対して、APCEPatronal de los promotores y constructors de Espana)のJose Manuel Galindoがコメントを出しているのですが、それがちょっと興味深い。

“ …Los promotores empiezan a pensar en retomar la construccion de obra nueva porque el stock se esta absorbiendo en determinadas zonas de Espana”


“スペインの幾つかの地域では住宅ストックが残り少なくなってきている事から、住宅プロモーター達は住宅建設を再開する事を考え始めている。“

今日の新聞(El Pais 28 de Abril 2010)なんか見てると、失業率が遂に20%を超えて、サパテロ首相(Jose Luis Rodriguez Zapatero)がコメントを発表するなど、「スペイン経済どん底感満載」なんだけど、「建設業が再開するかも知れない」というニュースは、そんな真っ暗闇の中で、出口が無さそうな今回の迷宮の出口へと我々を誘う一筋の光の様に思えました。皆さん、あとひと踏ん張りだと信じてがんばりましょう!

追記
この記事を書いた直ぐ翌日の新聞に、スペインの格付けがAA+からAAに引き下げられるというニュースが出ていました。理由は脆弱な経済成長が予想よりも長く続く見通しであるとか何とか・・・。出口はマダマダ先なのかなー。落ち込んでてもしょうが無いので、今日出来る事を精一杯やろう!

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