地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ブリュッセル出張その3:アール・ヌーヴォー建築の傑作、オルタ邸(オルタ美術館)を見ていて思った2つの事:ブログ全盛時代の内部撮影禁止事項とヴィクトール・オルタ(Victor Horta)の空間構成力について


アール・ヌーヴォー建築の創始者として名高いヴィクトール・オルタ(
Victor Horta)が設計し、一時期家族と共に住んでいたオルタ邸(今はオルタ美術館(Musee Horta))に行ってきました。



場所は92番か97番のトラムに乗ってJanson駅で降り、そこから今乗ってきたトラムと同じ進行方向に100メートル程進んだ所に見えるBRICOを左手に折れて50メートル程進むと目的の建築が見えてきます。



このオルタ邸、噂に違わず内部空間が素晴らしかったのですが、問題が一つ。実は内部の撮影が禁止で、今回ブログに載せられる写真が一切撮れませんでした。多分建築と写真の問題というのは肖像権とか色んな問題が絡んでくるのでそれ程単純には解決出来ないのだろうけれど、それにしても、ブログ論壇が盛んな今、内部撮影禁止というのはものすごく時代錯誤な気がするのは僕だけでしょうか?最近は、撮影を禁止する事によって建築管理者側が得られる利益(囲い込みによる利益)と撮影を許可する事によって得られる利益(個人レベルでどんどん宣伝してもらう事による利益)の逆転が起こりつつあるのでは?と思うのですが・・・。何か問題あるのかな?この辺はあまり詳しくないので、どなたか詳しい方いらしたら教えてください。

と言う訳で、今回は写真が一切無いのですが、それでもこれだけは言いたい。

「このオルタ邸は本当に素晴らしかった。何が素晴らしいかというと、良く言われているようにアール・ヌーヴォー特有の曲線美とか、目眩がする様な非物質化された装飾とか、そんな難しい事ではなくて、ちゃんと空間がある事。」

コレですね。オルタというのはやはりアール・ヌーヴォーの創始者という事で、その素晴らしい装飾の数々にスポットが当てられがちなのですが、彼がこれだけ装飾に傾倒出来て且つ、その建築と空間が素晴らしいものとなっているのは、その基礎にきちんとした空間構成があるからだと思います。我々は先ずはそこを見なくてはならないのでは?と思う訳です。

写真が無くて分かりにくいので一つだけ例を挙げます。それが床の仕上げ材と空間の関係。エントランスホールではグレーのタイルを敷き詰め、そしてそれに続く階段部分では白色の大理石に切り替え、そして2階の大広間では再び先ほどのグレーのタイルに切り替えています。しかしですね、この大広間から半階上がり、更に3階へと続く階段の床の扱いを見ると、ここでは絨毯に切り替わっている事に気が付く事と思います。そう、オルタは意識的に床の扱いでパブリック/プライベートを意識して切り替えているのです。

そしてやはり素晴らしいのが道路側に展開する2.5階部分から大広間を見通した空間ですね。この建築の大まかな構成というのは、中庭側と道路側が4段程の階段で繋がるステップ構成になっているのですが、この少しの段差を導入するというちょっとしたアイデアによって、空間をここまで素晴らしいものに出来るオルタのデザイン力にはすさまじいものを感じずにはいられません。

こういう事も写真があればもうちょっと上手く説明できるんだけどなー。
建築というのは実際に行かない事には何も分かりません。写真では写らない質があるからこそ、建築というのは面白い表象文化だと思うんですね。その一方で、人をそこに行く気にさせるかどうか?というのは、やはり未だ写真のようなメディアに頼らざるを得ない状況だとも思うんですよ。そこに貢献出来るのがブログなのではないのか?とも。


この問題は今後ちょっと注意して追って行きたいと思っています。

| 旅行記:建築 | 00:37 | comments(3) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
アールヌヴォーの家って曲線に酔ったりしないのかな↓↓?と疑心暗鬼で6年ほど前にオルタ邸を見に行きました。予想を裏切られ、何ともスバラシイ空間で、とても気に入りました。
その際の写真を確か2枚持ってますが、禁止なのに撮ってしまったのか?室内はダメだったのか、階段付近の写真だけを持ってます。自分の勘違いで撮ってしまったのか、少しショックです(><)。。。
罪滅ぼしでないけど、個人レベルでめちゃくちゃ宣伝しますー
| Ana | 2010/02/28 8:13 PM |
Anaさん、こんにちは。
Twitterで教えてもらったのですが、どうやら室内撮影禁止になったのはここ数年の事らしいですよ。だから多分、Anaさんが行かれた頃は撮影がOKだったのではないのでしょうか?とってもラッキーでしたね。うらやましいです。
| cruasan | 2010/03/02 5:53 AM |
日本文化,伝統も素晴らしいもの沢山あります。近くによいものあったりします。
| 品質 | 2010/08/15 12:15 AM |
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