2010.02.09 Tuesday
「ヨーロッパ人が忙しくない3つの理由」を読んで:スペインの場合
Twitterの方で「ヨーロッパ人が忙しくない3つの理由」という記事が話題になっていました。やはり、こういうのに敏感に反応するのは海外在住組ですね。見ていると、「そうだ、そうだ」という意見から、「ちょっとそれは言い過ぎなんじゃないの?」という意見まで様々だったのですが、僕としては、「何とも的を得てるなー」というのが率直な所でした。特に「全くその通り!」と頷いてしまったのがコレ:
「(ヨーロッパ人は)自分に甘く、他人にも甘い」
他の国の事は知らないけれど、スペイン人に関して言えば、ハイ、全くその通りでございます(笑)。血糖値に換算したら、イベリア半島全員、糖尿病で即入院しなきゃいけないくらい自分にも他人にも甘〜いのがスペイン人なんですね。
さて、「ヨーロッパ人が忙しくない3つの理由」の中では、期日までに仕事が出来なかった言い訳の例が載っていたのですが、同じ様な案件で僕が今までに見た中で一番すごかったのがコレ:
上司:「J君、あの仕事、今日が期限なんだけど、出来てる?」
J君:「出来ませんでした」
上司:「何で?」
J君:「だって昨日はバルサ対マドリッドの大一番で、その為の用意とか大変だったので」
上司:「・・・そうか。じゃあ仕方ないな」
僕はJ君が「バルサの試合を見ていた為に仕事が出来なかった」という言い訳を始めた時には本当に青ざめましたけどね。絶対怒られると思ったから。悪くすれば「首かも」みたいな。でも、その次の瞬間の上司の反応、「じゃあ、仕方ないな」にはもっと度肝を抜かれました。 まあ、コレはかなり極端な例としても、「時間が無かったから出来なかった」とか、「今担当者がバカンス中だから分からない」とかいう言い訳を聞くのは、スペインにおいては日常茶飯事です。そしてそれを市民も受け入れている。「じゃあ、仕方ないな」と。
もうコレは文化の違いとしか言いようが無いんだけど、社会にコレくらいの余裕がある事は(慣れれば)そんなに悪い事じゃない気がします。そしてこのようなヨーロッパという鏡を通して、自分(日本)の姿を見つめる事が出来るという所が結構重要。
多分ヨーロッパ人(スペイン人)と言うのは、ある一つの仕事に対して「時間内で精一杯やる事」を目指す民族だと思います。対して日本人というのは、勤務時間とか関係無く、極限までその質を上げる事に美徳を見出す民族だと思うんですね。だから日本人は欧米人から「時間泥棒」とか言われちゃう訳です。
多分この違いは各々の社会の中において何に優先順位が付けられているのか?という問題と深く関わってくるのだと思うのですが、多くの日本人にとって優先されるべきもの、それは「仕事」だと思われます。
対してスペイン人はどうか?
スペイン人が人生の中において一番大切だと考えているもの、それはずばり「家族」です。スペイン人は何を置いても、とりあえず家族を最優先に考えています。以前、教育関連の話題で、スペイン人の進学に対する価値観について書いた事があったのですが、スペイン人が大学を選ぶ基準、何だか分かりますか?
大学の知名度?有名な教授が居る事?卒業生の優秀さ?
違います。彼らが一番気にかけている事、それはずばり、「家から近い事」でした(詳しくはコチラ:地中海ブログ:スペインの大学ランキング:総合ランキングではなく、学部間で競い合うというシステム)。理由は「家族や友達と離れたくないから」。
別にスペイン人を擁護する訳じゃないけど、コレ、ものすごく人間的じゃないですか?
このような違い、コレはどちらが優れていて、どちらが劣っているとか、そういう問題ではありません。タダ単に、彼らは日本人とは違う物差しを持っていて、違う基準で社会が動いている、タダそれだけの事です。そしてそのような多様な価値観を持った社会や文化があるからこそ、僕達の世の中は輝いているし、面白いと思うんですね。
そう考えると少しはカタラン人を見直したりもするけれど、でもやっぱり、「あとヨロシクー」とか言って仕事を押し付けて帰っていく、あの後姿には腹が立つ(笑)。誰か助けてー!
J君:「出来ませんでした」
上司:「何で?」
J君:「だって昨日はバルサ対マドリッドの大一番で、その為の用意とか大変だったので」
上司:「・・・そうか。じゃあ仕方ないな」