地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
<< オランダ旅行その1:スキポール空港(Schiphol)アクセッシビリティ評価 | TOP | 世界遺産 キンデルダイク(Kinderdijk)その1:行き方 >>
ファン・ネレ煙草工場(Van Nelle Tobacco Factory):近代建築の傑作はやっぱりすごかった!
オランダ滞在初日は、以前からどうしても行きたかった近代建築の傑作、ファン・ネレ煙草工場へ行ってきました。今回僕が滞在しているのがアムステルダムなので、ファン・ネレ工場があるロッテルダムまで1時間程の旅に出たのですが、電車などに乗ると「オランダというのは、本当に都市のシステムが良く出来ているなー」と感心します。ココで詳しくは書きませんが、オランダは都市機能の分散化(行政、商業・・・)と、それらが割り振られたノード(アムステルダム、ロッテルダム・・・)を公共交通機関で結び付ける事によって、20世紀の都市モデル(メトロポリス)に対する代替案(ネットワーキング型都市)の提示に成功したと思います。

さて、今回目指す建築はロッテルダムの少し郊外にある事から、駅前からバス(38番)に乗り、揺られる事15分、線路を挟んだ向こう右手側に目指すべき建築が姿を現してきます。



この建築は現在、多数の私企業オフィスとして使用されているので、原則的に一般公開はされていませんが、実は今回(マンモスラッキーな事に)とある方のご好意で少しの間だけ工場に入らせてもらう事が出来ました。

川に架かったブリッジを渡ると、そこから既にこの建築の物語が始まっている事に気が付きます。そして既にものすごくカッコイイ!



注目すべきはこの左手側でカーブを描いている部分です。この部分がまるで「おいで、おいで」と我々に手招きをしているかの様です。そしてこの空の切り取り方:



このような建築に出会うと、我々の身体感覚にとって「空がどのように切り取られているか?」がこの上なく重要だと言う事を再確認しますね。



そしてその緩やかなカーブが序章となって、前面ガラス張りのファサードへと違和感無く続いていくというデザイン。その見事な繋ぎ方の鍵は、こちら側から見ると良く分かります:



最後部分を直線にする事で、向こう側に無理なく繋げているんですね。そして、やはりココでも人の導線をコントロールする事によって、「建築の見え方」を最もカッコイイ位置から見せようという意思が見られます。(上の位置からの見え方はあまりカッコよくない。この辺の事についてはコチラ:地中海ブログ:マドリッド旅行その4:ラペーニャ&エリアス・トーレス(Jose Antonio Martinez Lapena and Elias Torres)の建築その1)そしてこの建築の外観のクライマックス的表現が何と言ってもココ:



斜めに取り付けられた廊下です。コレは行ってみると分かるけど、思った以上にダイナミック。言うまでも無い事だけど、この建築にとって、この斜め廊下があるのと無いのとでは大違い。でも、この斜め廊下がコレほどまで生きてくるのは、それ以外のデザインが驚くほど真面目にデザインされているからなのでは無いでしょうか?



つまり、この斜め廊下が取り付けられている本体ファサードが大変静かにデザインされているからこそ、この斜め廊下のアクロバッティブ性が際立つと思うんですよね。
建築って、こういうもんだと思います。つまり、ある一つの建築において、何か一つ、やりたい事があって、それが明確に達成出来ていれば良いんじゃないか?最近はそう思うようになりました。

さて、イヨイヨ中へと入って行きます。今回入る事が出来たのは2階にあるカフェ&レストラン部分:



2層吹き抜けの、白をベースとした透明感溢れる空間となっています。そしてこのガラス:



床から天井まで一面ガラス。「これでもか!」というくらい光が燦燦と注ぎ込んできます。正に光のシャワーです。更に、このガラスを通して見える風景が圧巻:



先程見た斜め廊下がこんなに真近に見えちゃいます。



この近代建築の傑作は近年、大幅な改修を経て、今では沢山のデザイナーや建築家といった、クリエイティブな人達の事務所などが入っているそうです。



このカフェ&レストランコーナーも、フレキシブルな区切りを設けて、会議やちょっとしたミーティングなどに使用している様子でした。

うーん、やっぱり近代建築は面白い!初日から良い建築を見させて頂けて、大満足なスタートです。
| 旅行記:建築 | 20:31 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
コメントする