地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ポルトガルの総選挙に向けて:ポルトガルースペインの両国間の関係が焦点に
今日の新聞に来週の総選挙(9月27日)を控えたポルトガルの国内事情、主に隣国スペインとの関係に関する記事(El Pais, 20 de Septiembre 2009, P4)が載っていました。

その記事によると、今回の選挙では高速鉄道連結(AVE)を含めた、スペインとの関係をどうするか?が大きな焦点になっているとか。

まあ、そんな事当たり前と言えば当たり前で、ソコを敢えて今強調するというのは、実はもっと重要な問題(経済危機をどう乗り越えるかとか)を隠す為に、昔ながらの議論が利用されているんじゃないの?とか、変な勘ぐりを入れてしまったりするんですがね。まあ、いいや。

「ここに地果て海始まる」じゃ無いけど、ポルトガルにとって国境を共有する唯一の国がスペインだったので、遥か昔から同じ様な議論(スペインとの関係をどうするか?)が繰り返されて来た事は想像に難くありませんが、今日の記事が面白かったのは、ポルトガルとスペインが未だかつて無い程、経済社会的に結ばれているという点を強調していた点ですね。

例えばエラスムス(ヨーロッパ大学交換留学制度)を利用した留学生数は、ポルトガルではスペインの学生が、スペインではポルトガルの学生がそれぞれナンバーワンを占めているそうです。更にポルトガルではスペイン語を学ぶ学生数がうなぎ上りで、第二外国語の地位を守り続けているフランス語を抜く勢いだとか(ちなみに第一外国語は英語です)。反対にスペインでも近年、ポルトガル語を学ぶ学生が増えているそうです。ヘェーヘェーヘェー。

その中でも特に医療関連に進学したいポルトガルの学生などはスペイン留学を望んでいるらしいです。確かに南ヨーロッパで見た時の医療分野での大学ランキング一位はバルセロナ大学なんですね。カタルーニャというのは昔から医療分野には力を入れていて、近年ではバイオ医療に相当力を注ぎ込んでいるというのは、以前書いた通りです(地中海ブログ: カタルーニャの打ち出した新しい都市戦略:バイオ医療( BioPol, BioRegio)

この分野では既に両国間で国境を取り払った試みが結構行われてて、例えば、ポルトガルには既に1937人のスペイン人の医者と看護婦さんが働いているんですって。

又、僕は全然しらなかったんだけど、国境付近に位置するポルトガル側の小さな街、Elvasという街には病院が無く、一番近いのはスペイン側の Extremadura州にあるBadajoz市の病院の為、「ポルトガル側の住民は、その病院を利用出来る」という国家間契約を結び、多くの人が利用しているそうです。特に緊急を要する分娩の場合などに大変役にたっているらしく、この2年間でスペインの病院で生まれたポルトガル人の赤ちゃんの数は500人に上るとか。

このような国境を越えた協力体制(ユーロリージョン)については当ブログで何度も書いて来た所なのですが、明日、9月21日には Extremadura-Alentejo-Centro間の協力体制がEUの補助と共に新たに生まれます(ユーロリージョンについてはコチラ:地中海ブログ:Euroregion(ユーロリージョン)とカタルーニャの都市戦略:バイオ医療を核としたクラスター形成)。既に存在しているポルトガル北部とガリシア地方(Galicia-Norte de Portugal)のユーロリージョンと合わせて2つ目です。喜ばしい限りですね。

その一方で、このような2国間協力体制を喜ばない人達が居る事も又確か。

まあ、今でも、特に上の世代の(一部の)人達の間には「スペイン嫌い」という風潮が広がっているので、そんな人達から見れば「敵国スペインで子供を生むなんて何事だ!」みたいな感じなんじゃないのかな?と想像しますけどね。若い人達の世代では、このような感情は薄らいでいるんだろうけれど、先週のManuela Ferreiraの発言に見られるように、「ポルトガルはスペインの属州では無い!」という発言が国民感情を集める為の道具に使われている辺り、そのような感情がまだまだ根強く残っているのかな?という事を匂わせますね。

高速鉄道連結問題を含めて、来週のポルトガル総選挙は今から大変楽しみです。
| ヨーロッパ都市計画 | 23:28 | comments(0) | - | ↑PAGE TOP
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