地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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大西洋の弧:スペインとポルトガルを連結するAVE(高速鉄道)について
先日の新聞(El Pais, 14 de Septiembre, 2009, P2)にポルトガルとスペインを結ぶ高速鉄道(AVE)の記事が出ていました。当ブログでは、異なる地域間を結び付ける高速鉄道計画には当初から注目し、事ある毎に言及してきました (詳しくはこちら:地中海ブログ:地中海連合(Union pour la Mediterranee)の常設事務局はバルセロナに、地中海ブログ:バレンシア交通計画ミーティングと地中海の弧計画:バルセロナーバレンシア間の連結問題について、地中海ブログ:ヨーロッパの都市別カテゴリー:ブルーバナナ(Blue Banana)とかサルコジ(Nicolas Sarkozy)首相とか、など)。

それらの多くは「地中海の弧」関連の話題が多かったのですが、ヨーロッパをグルーピングしているもう一つの弧、大西洋の弧にも、勿論高速鉄道計画は存在します。その一つがポルトガルとスペインを結ぼうという計画なんですね。具体的に言うと、各首都間(リスボン(Lisboa)とマドリッド(Madrid))と、ポルト(Oporto)とガリシア地方の工業都市ビーゴ(Vigo)を繋ぐ計画です。

で、どうして今この計画が話題に出ているかと言うと、9月下旬に総選挙を控えたポルトガルで、今週日曜日に党首討論会が開かれ、野党第一党のPSDのManuela Ferreira Leiteが「私が当選したら、この計画を白紙に戻す」といきなりテレビで公言したからです。右寄りの彼女にとっては、リスボン−ポルト間という国内の第一・第二都市間の連結を優先せず、何故にスペインとの連結を優先するのか?という点が理解に苦しむらしい。

その発言を聞いてビックリしたのがスペイン側。それこそ本当に「きいて無いよー」状態。サパテロ内閣のナンバー2である、Jose Blanco氏が緊急に記者会見を開き、スペインの見解を述べるまでに発展しました。そして当のポルトガルでは、この高速鉄道の連結計画を巡って、市民の意見が真っ二つに割れ、選挙はさながら国民投票の様相を呈してきている模様です。

ポルトに住んだ事のある人間として私見を言わせてもらうならば、ポルトービーゴ間に高速鉄道が敷かれたら、それはもう、便利な事この上無いと思うんですけどね。現在の状況だと鉄道で3時間半かかります。AVEだと1時間に短縮されるらしい。リズボンーマドリッド間だって同様。今なんて、列車で9時間ですから。AVEだと2時間45分だそうです。

しかし、国内連結ではなく、スペインとの連結を優先させるような案が出てくる事自体、何となく、ポルトガルの政治経済状態を良く表しているようで面白いですけどね。だって、コレをスペインに読み替えてみたら、マドリッドーバルセロナ間の高速鉄道を通すのを置いておいて、バルセロナーモンペリエ間を先に通すみたいな事になる訳でしょ?まあ、マドリッドーバルセロナ間は、違う意味でカタラン人が通したがらなかったかもしれないですけどね(笑)。

そういう意味で言うと、PSDの Manuela Ferreira Leiteさんが文句を言いたくなるのもちょっとは分かる気がする。

何はともあれ、今月下旬の総選挙には大注目です。
| 都市戦略 | 21:50 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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