地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ローコスト新築・中古住宅販売会(El salon de oportunidades inmobiliarias, Low Cost)
バルセロナでは昨日から新築・中古住宅の大販売会がモンジュイックの丘、Fira Barcelonaで開かれています。住宅の販売会なんて珍しくも何とも無いのですが、この展覧会がちょっと変わっているのは「ローコスト」を全面に打ち出している事なんですね。その名もローコスト住宅販売会(El salon de Oportunidades Inmobiliarias, Low Cost)。

現在僕達の社会は何もかもがエンターテイメントになっていくテーマ・パーク化と、「命」も含めた全てのモノに値段が付き、その値段がどんどん安くなっていく「ローコストエコノミー」化が進展している真っ只中に居るのですが、今回の展覧会はその現れの一端と見る事が出来ます。(テーマ・パーク化についてはコチラ:地中海ブログ:ノーマン・フォスター(Norman Foster)の建築再び:ドイツ国会議事堂(Reichstagsgebäude)、ローコスト・エコノミー化についてはコチラ:地中海ブログ:観光とチープエコノミー:ライアンエアー(Ryanair)などの格安航空機が都市にもたらす弊害

当ブログでシリーズ化している「バルセロナ新築・中古住宅価格事情」では、バルセロナの住宅価格の変移を追跡しているのですが、それによると金融危機以降は住宅価格&賃貸価格共に下落傾向にある事が分かります。(詳しくはコチラ:地中海ブログ:スペインの新築・賃貸住宅のドキュメンタリー (Callejeros: Alquilado, Viernes 13 de febrero a las 22h30, TV Cuatro)など)

下落傾向にあると言っても、一般市民、特に若者に手が出せる程安くはなっていないというのが実情。先週の新聞にはこんな記事が載っていました:

“un joven deberia ganar 3.500 euros al mes para acceder a una vivienda libre”

“若者が住宅を購入するには、3500ユーロ/月の月収が必要である“(La Vanguardia, 10 de Junio 2009)


スペインの最低賃金が約600ユーロ、30歳前後の若者の平均月収が1500ユーロ(くらい?)を考えると、月3500ユーロの月収は若者にとっては夢の又夢なんですね。ちなみにスペインで月3500ユーロというと、大学の名誉教授クラスの月収という事になります。

今回のローコスト展覧会には朝早くから沢山の人が押し掛けたそうですが、その状況が如何にスペインでの住宅問題が深刻であるか?を物語っているようです。さすがに今回はローコストを打ち出しているだけあって、各不動産会社とも、それぞれ値引きを大々的にしているようです。平均して全体で30%前後の割引が行われているという事ですが、サロン全体で一番安かった物件はガリシア地方はLugoにある一軒家で、値段は何と15.000ユーロ!これは安い!更にバルセロナでも、一年前には全く考えられなかった、市内で200.000ユーロという物件が出始めています。

専門家によると、物件の下落傾向はそろそろ底を打つという見方が一般的だそうで、バルセロナ市内ではもう既に幾つかのエリアで価格の上昇が見られるという事です(Eixample(1%)、Montjuic(2%)など)。

早!!!この間下がったと思ったらもう上昇?人々の需要と供給が入り乱れる市場は生き物ですから、何が起こるか分かりませんね。住宅は教育や医療と並んで、都市での生活の質を確保する大変に重要な指標です。引き続き、大注目です。
| バルセロナ住宅事情 | 20:40 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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