地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
<< ユーロビジョン(EuroVision Song Contest)2009:快挙!日本人(若田光一さん)初参加(ちょっとだけだけど)!!! | TOP | バルセロナの食べ歩き方:Hisop >>
渡辺千賀さんのOn Off and Beyondで「海外で働いている人の体験談募集」というエントリがあったので:スペインの場合
以前紹介した渡辺千賀さんのOn Off and Beyondというブログで、「海外で働いている人の体験談募集」というエントリがあったので、フォーマット通りに書いてみました。例の「日本はもうダメだ論」で多数の賛否両論があった事から、「じゃ、みんな海外でどんな事をしてるの?」という話になり、体験談を募集する事にしたらしいです。

今の所、スペインからのエントリは無さそうなので、何かのお役に立てればと思います。

1.今いる国

スペイン(バルセロナ)

2.今の勤務先の業種・本社所在地

カタルーニャ州政府関連のとある機関(以前はバルセロナ市当局関連のとある部署)。公共空間政策、環境政策、交通政策などを主に扱っています。

3.今している仕事の職種

欧州(European Union)プロジェクトのコーディネーター

4.今のワークライフバランス(仕事時間、私用の時間の取りやすさ、休暇の取りやすさなどなど)

仕事は基本的に一日8時間。朝9時に始まって、11時から30分間の朝食タイム、2時から1時間の昼食タイムを挟んで18時に終わり。スペインでは昼食が14時と遅いので、11時にちょっとした朝食タイムがあります。大抵は職場のみんなと近くのバーに行って、コーヒーとサンドイッチを頼み、雑談をしながら腹ごしらえ。

スペイン人の頭の中には「残業」という言葉は存在しないので、5時45分には、みんな帰り支度を始め、6時10分以降、事務所に人影がある事は稀です。これが月曜から木曜までの基本的な時間割なのですが、スペインでは木曜日の夜から週末が始まる為、金曜日の仕事は14時30分で終わります。言うまでも無く、土日に働く人は先ず居ません。

休暇は夏休みが8月1日から8月31日まで1ヶ月。この間は事務所には誰も居なくなります。公共の機関が一ヶ月閉めてしまっても、社会が回っていける所がこの国のすごい所(笑)。年始年末はクリスマスくらいから1月6日くらいまで、約2週間前後。イースターも2週間前後。その他、祝日祭日は全て休みです。その他、何か特別な用事があり休みが取りたい時など特に問題無く取る事が出来ます。

5.今の生活環境(住環境、リクリエーション、生活コストそのたもろもろ)

スペイン、特にバルセロナでは住宅問題がテロに次ぐ大問題と言われているくらい深刻で、年々家賃が上がってきています。今僕が住んでいるところは、バルセロナ市内の中心部で日本で言うところの3LDK。トイレとシャワーが2つ付いてる広さ90平米のアパートで、家賃は一ヶ月1200ユーロ。大抵はコレくらいのアパートを3人くらいの人達とシェアするのが普通だと思います。よって、一ヶ月の家賃は一人300−400ユーロくらいというのが相場でしょうか。

リクリエーションとしては、何と言っても食べ歩きですね。スペインでは上質のワイン、チーズ、そして生ハムなどを(日本に比べると)格安で味わう事が出来ます。その他、海産物を生かした伝統料理など、美味しいものには事欠きません。1年を通して気候が良いので、ワインなどを片手に、夜遅くまでテラス席で気の知れた人達と談笑するというのが、最高のリクリエーションだと思います。

その他、サッカーは勿論、F1、芸術、ビーチなど、エンターテイメントにかけては底が知れません。

6.日本でしていたこと(差し支えない範囲で学歴・職歴。固有名詞でなくてよいです)

大学の学部卒業後、とある建築設計事務所で美術館などの設計をしていました。

7.今いる国に来た方法と来た動機

一緒に働きたいと思っていた建築家がたまたまスペイン人(カタラン人)で、その建築家がコーディネートしているマスターコースがある事を知り、最初のステップには良いかなと思い、「どうしても行きたいんだー!」みたいな熱く長―い手紙(3枚くらい)を出した所、「来ていいよ」みたいなとっても簡単な返事(3行くらい)が来たので来た。

8.今の仕事に就いた方法

公募してたので応募したら通った。

9.日本から今の国に来る時に用意した資金とその調達方法(借金・奨学金などは、差し支えない範囲で、どこからいくら位)

僕が来た時はスペインにユーロが導入されたくらいの時で、スペインもまだ安かった。家賃込みで、一ヶ月、6万円もあれば悠々生活出来たくらい(私の記憶が確かならばー!!!)。しかもスペイン(ヨーロッパ)の大学の学費って、日本人には想像出来ないかもしれないけど無茶苦茶安くて、もしくは国によってはタダとか。つまりラッキーにも、こちらに来る初期投資にそれほど気を遣わずに来られる時代だったんだと思います。

10.今いる国で日本人がゲットしやすい仕事にはどんなものがあり、その職種につくための良い方法はなにか

色んな方法があると思うのですが、僕のお勧めはやはり、大学のマスターコースなどに入って、言語を磨きつつ、仕事を探すのが良いのではないかと思います。僕の経験から、ヨーロッパでは言語というのは、コミュニケーションのツールであって、完璧にしゃべる必要はありません。通じれば良いのです。逆に言うと、通じなけらば駄目なんですね。そのレベルに達するまでは、一先ず大学で学びつつ、交友関係を増やしつつ機会を伺うというのが良いのではないかと思います。

11.今のご自身の仕事で雇用に際しての年齢の上限はあるか。今いる国で一般的にどうか

特に無いと思います。

12. その他ご自由に・・・

仕事柄、欧州レベルのプロジェクトミーティングに行く事が多いのですが、未だかつてそういう場で日本人に会った事はありません。その一方で、欧州は文化の多様性を奨励しています。つまり現場ではアジアの声が求められています。欧州レベルで働くには地域言語+英語+何らかの深い専門知識+全体を見渡す事の出来る広い見識など、決して敷居は低くは無いとは思いますが、挑戦するに値する事だと思います。

ヨーロッパに来て早いもので今年で7年目。多分、今が人生で一番楽しい時なのかもしれない。でもよくよく考えると、去年も同じ様な事を言っていました。だから来年は今よりももっと楽しくなる予感がします。
| 仕事 | 14:01 | comments(4) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
 久しぶりに書き込みです。いろいろと鋭い所に目をつけられていて面白いですね。
 一点、EU プロジェクトに関してですが、EC は(当然ですが)基本的に域内の発展を第一にしており、これまで域内のパートナーにしか予算を出してきませんでしたから、日本人が関連する職に就く例は少なくても不思議ではないでしょうね。分野にも寄るかもしれませんが、予算のつかない協力者としての日本のパートナーは多いと思いますし、分野ごとに専門家として日本人が関わっている例は多いはずです。僕が EC に行く時にはほぼ毎回、日本人を見かけますよ。FP7 プロジェクトからは域外にも予算が出せるようになりましたし、さらに門戸が開かれて行くかもしれませんね。
 余談ですが、僕も経験は浅いながら EU プロジェクトのマネージャーをしています。団体に寄っては EU 内の国籍保持者しか採ってくれない場合も多い中、採用してもらえた事、やりがいのある仕事である事には満足しています。しかしながら仕事の条件は cruasan さんのケースとは大きく違い、多くの同僚を含めて残業ばかり、金曜日も遅くまで働きますし、賃金等の労働条件はかなり悪いです。スペインは憧れの国でしたし今も好きですが、書かれていたようにバルセロナは生活費が非常に高いし、査証その他の手続きが無意味に複雑でプロセスがはっきりしていない事、議論により問題が解決できない事、公共サービスの質の低さ等、生活環境という意味では今まで暮した国々の中でもとりわけ厳しいです。
| itchy | 2009/05/20 7:44 AM |
>cruasan様、

お早うございます。

大阪建築コンクールの受賞者の説明会で
森田氏とのご対面でした。おっしゃる通りの
好青年。

京都、バルセロナ、大阪キタ、南河内とNET
社会で知り合った人とに出会う感激は一塩
でした。私のブログを初めてメールで伝え、
これからの訪問が楽しみです。
 
また、遠藤建築研究所の所員が京都で
森田先生の教え子と言うことで世間の狭さを
感じ、懇親会では話に花が咲きました。
 
もし、差し支えなければcruasanさんのメール
アドレスを私の所にメールして頂ければ、
ありがたい。我々との写真を送ります。

勝手ですがよろしく御願いします。

数十年前に一人でナホトカ経由のモスクワ、
ポーランド、チェコ、ウィーンの貧しい旅行者で
今の皆さんの境遇が羨ましいです。

スイスバーゼルで居候していましたが・・!
海外で働くチャンスを探していましたが・・・!
| mory's | 2009/05/23 3:27 AM |
itchyさん、大変貴重&有意義なコメントありがとうございます。

僕も結構ECには行っているのですが、今までナカナカ日本人の方にお目にかかる機会がありませんでした。個人的にはこれからどんどんと門戸が開かれ、アジアの方に入ってきて欲しいです。

予算と言えばこの間驚いてしまったのですが、てっきりスイスはどのEUプロジェクトにも無条件で参加可能かと思い込んでいて、スイスのパートナーとプロポーザルを進めていた所、締め切り直前に、「スイスは駄目」と言われて愕然としました。スイスが何時でも参加可能なのは、どうやらFP6,7関連だという事です。全く知りませんでした。

そうなんですか!(驚)、itchyさんもEUプロジェクトのマネージャーをされているんですね。今、とっても驚いています!!!

僕の分野では7月末にプロジェクト公募が始まるのですが、締め切りが1月で夏休みと冬休みを跨いでいます。去年、ヘルシンキのパートナーとプロジェクトを進めていたのですが、彼らは6月から7月にかけて夏休みを取ります。国や都市によって休みがずれるので、実質2−3ヶ月は仕事が進まない事を考えると、今から頭が痛いです。

お互い苦労は多いと思いますが、がんばって行きましょう。
これからも宜しくお願いします。
| cruasan | 2009/05/23 6:19 AM |
休暇と言えば、農作業に関係していたみたいですが、ヨーロッパの南北では時期がかなり違いますね。北欧は確かに6月末から7月が休暇、8月中旬にはもう学校も始まっていますがスイス辺りから南は8月に休暇を取りますね。週ごとに時期をずらしているドイツが中間という感じ。ヨーロッパは狭い地域に国が沢山あり、習慣等の違いを身近に感じられるのが面白いと思います。
| itchy | 2009/05/23 8:26 AM |
コメントする