地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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バルセロナ賃貸住宅価格事情:2008年第4四半期:賃貸住宅価格下落
今日の新聞(La vanguardia, P1-3, 23 de marzo 2009)に第4四半期(10,11,12月)におけるバルセロナ賃貸住宅価格事情が載っていました。スペインが置かれていた特殊な経済社会的事情から、この所バルセロナの住宅価格が激しく変動しているんですね。特に世界同時経済危機以降の動きはちょっと尋常じゃありません。上がったり下がったり・・・。

先ず、2008年第1四半期(1,2,3月,2008)の価格変動の特徴は「それまでうなぎ昇りだった賃貸住宅価格に陰りが見え始めた」でした。前年同時期比で2%の減少だったんですね(バルセロナ賃貸住宅事情と新築価格事情:地中海ブログ)。バブルの様相を示していたスペイン経済も、ようやく沈静化するのか!と思われた矢先、続く第2四半期(4,5,6月,2008)には状況は一転、価格は又上昇(前年の同時期比で10%)を示していました(バルセロナ賃貸住宅価格事情その2:地中海ブログ)。

何故かというと「世界経済危機」の前に既に訪れていた「スペイン経済危機」によって、あまりにも馬鹿げた住宅価格に国民が着いていけなくなり、「買う」よりも「借りる」方に国民の意識がシフトしたからでした。(ちなみに今日の新聞記事によると、賃貸住宅契約数は前年比で13.5%上昇しています。)

そしてココで何が起こったのか?というと、それまでバブルに乗って作り続けてきた大量の新築住宅が全く売れなくなって、「モノ余り状態」になったんですね。スペインが特殊だったのは、その新築住宅余りの個数が尋常じゃなかった事です。なんてったって、バブルでしたから。そこで困ったのが不動産屋さん達。もうどうしても売れない状況の中、少しでも元を取ろうと知恵を絞って考え出したのが、新築を賃貸として貸し出してはどうか?という案。こうして大量の賃貸住宅が賃貸市場に出回る事になりました。

その結果、信じられない事に、賃貸住宅価格が下がるという、半年前には夢にも思わなかった事態が起こってきつつある、という事をレポートしたのが前回のエントリでした(スペインの新築・賃貸住宅のドキュメンタリー (Callejeros: Alquilado, Viernes 13 de febrero a las 22h30, TV Cuatro:地中海ブログ)。

そんな経緯があるものだから、今回の発表は長い事心待ちにしていたんですね。

先ずバルセロナ市全体で見た時の平均住宅価格なのですが、前年同時期比で3.8%の上昇を示しています(平均価格は1081.32ユーロ,16.18ユーロ平方メートル)。この価格変動は勿論、「上昇」であって、「下降」では無いのですが、これは第3四半期の上昇率が10%だった事を考慮すると、この数字は「たった3.8%の上昇」と読まれるべき数字です。都市財産会議所(巧い翻訳が出来ない!)はコノ変化を「それまで上昇を続けていた市場傾向の変化」と見なしています。

「都市財産会議所の四半期報告書は(賃貸住宅価格の)それまでの傾向の変化と、賃貸住宅の更なる需要があるにも関わらず、価格は下がる事を予想している」

” El informe trimestral de la Cambra de la Propietat Urbana de Barcelona augura un cambio de tendencia y que los precios se vayan “ deshinchando pese a la fuerte demanda de viviendas de alquiler”


この傾向は通年比で見た時にも大変顕著で、インフレ率(1.4%)を除いた2008年の実質価格の上昇率は前年比で5.6%。これは2007年の前年比実質価格の上昇率が9.42%であった事を考えるとかなりの減少だと言えると思います。コレを通年賃貸平均価格で見ると、2007年を通した平均賃貸価格が992ユーロであったのに対して、2008年を通した平均賃貸価格は1062ユーロ。つまり7%の上昇です。そして今年最も上昇率が激しかったエリアがCiutat Vella, Horta, Nou Barriだという事です。

逆に、今期の特徴を地区別で見た時に最も特徴が見て取れるのが、Sant AndreuとHorta-Guinardoです。前年同時期比でSnat Andreuは10%、Horta-Guinardoは10.6%の上昇を示しています。そして今回、唯一の下降を示しているのがSant Martiでマイナス0.4%。Sant Martiといえば22@が位置している街区であり、新築住宅がボコボコと建っていた所。と言う訳で下がって当然か。あと、歴史的中心地区であるCiutat Vellaが今回1000ユーロの大台を突破した事によって、市内全体で見た場合、1000ユーロ突破地域が7地区となりました。

予想によると今年最初の四半期では、この価格降下がもっと顕著に見られるはずだという事です。

バルセロナ市内街区別賃貸価格リスト
街区名   賃貸価格  上昇(減少)率  平方メートル辺り賃貸価格
Sarria-Sant Gervasi 1359.21Euro 4.3%, 17.90 Euro
Les corts 1300.80 Euro 8.5%, 18.50Euro
Eixample 1154.41Euro 2.5%, 15.68Euro
Gracia 1048.97Euro 1.3%, 17.76Euro
Sant Marti 1041.51Euro -0.4% 16.64Euro
Ciutat Vella 1026Euro 8.5% 18.15Euro
Sant Andreu 975.68Euro 10% 15.09Euro
Horta-Guinardo 971.78Euro 10.6% 15,87Euro
Sants-Montjuic 958.57Euro 0.3% 16.27Euro
Nou Barris 937.75Euro 9.6% 16.62Euro
| バルセロナ住宅事情 | 22:06 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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