2013.02.21 Thursday
全米で最も美しい大学ランキング・ベスト10にランクインしているボストン郊外にある超名門女子大、ウェルズリー大学について
忙しい‥‥非常に忙しい!そして寒い!!
先週末ボストンには史上最強クラスのBlizzard(雪嵐)なるものがやってきて猛威を振るいまくってたんだけど、つい3ヶ月前にはコレ又史上最強クラスのハリケーンが来たばかりだったし、ある意味今年は当たり年なのでしょうか?(苦笑)。
今回の雪嵐到来(金曜日の深夜)の為に、MITでは金曜日の授業は全てキャンセル、大学は全面閉鎖という事態に追い込まれてしまいました。当然の如く公共交通機関も金曜日の午後4時でストップし、更にマサチューセッツ州知事の緊急事態宣言と共に、「16時以降、道路を自動車で走ったり駐車したりしたら罰金を科せます」みたいな宣言が出されるまでに。どうやらこれは、自家用車で走ってて事故を起こしたり渋滞とかしちゃうと雪かき機や救急車などの緊急車両の邪魔になるからと言う事らしい。「街自体はかなり脆弱でも、そういうノウハウだけは一応持ってるんだな‥‥」という事を発見(笑)。
ちなみに僕は、夜はカフェに行ってコーヒーを飲まないと落ち着かない性格なので、猛吹雪の中、近くのカフェに行こうと外に出たら10秒で真っ白になりました(笑)。それにもめげず、風速60メートルくらいの嵐の中、いつもなら歩いて5分も掛からないカフェに15分も掛けて行ったのに、行ってみたらその日は臨時休業でガッカリ。まあ、そりゃそうでしょうね(苦笑)。
さて、Twitterの方では結構流しているのですが、先週末ボストン郊外にあるウェルズリー大学(Wellesley College)で日本文化に焦点を当てたお祭り、「雪祭り」なるものが開催されていました。「ウェルズリー大学とは一体何か?」と言うとですね、ハーバード大学やコロンビア大学などと言ったアイビーリーグに対抗して創られた(?)セブンシスターズという7つの東部私立名門女子大の1つで、リベラルアーツカレッジランキングでは毎年上位5位以内に入る超名門校だそうです(Wikipediaより)。ヘェー。ヘェー、ヘェー。
セブンシスターズって、聖闘士星矢とかに絶対出てきそうな名前なんだけど(笑)、ちょっと調べてみたら卒業生にはヒラリー・クリントンや、ロザリンド・クラウス(美術批評家)がいるじゃないですかー!
「ロザリンド・クラウスと言えば、「オリジナリティと反復」、「視覚的無意識」そして「ピカソ論」なんか良く読んだなー‥‥」という事を思い出します。そうか!確か彼女はハーバード大学でPh.Dを取ってるから、学部時代はウェルズリー大学で過ごしたと言う訳ですね。って言うか、彼女がウェルズリー大学出身だって知ってる人ってあまりいないんじゃないかな?
そんなの聞いた事無いし、個人的には大発見なのですが‥‥。多分彼女は学部時代からハーバードに通ってて、そこで直接(彼女の師にあたる)クレメント・グリーンバーグに会ったって事だと思います。ロザリンド・クラウスがグリーンバーグに初めて会った時、「な、何?君がロザリンド・クラウスか?君の書いた文章から、私は少なくとも(今の君の年齢よりも)10歳は年上だと思ってた」みたいな事を言われたというのは良く知られている伝説ですけどね。
ちなみにオタク君達の集まりであるMITは、この超エリート女子大と50年も前から大変親密な関係にあるらしく、大学間の単位交換は勿論の事、両大学を結ぶシャトルバスが出ていたり、映画やミュージカルなど様々なイベントを共同開催したりしているんですね。冬休み期間中には、MITの学生センターでホラー系のミュージカルが行われてて、何故だか知らないけど、MITとウェルズリー大学の学生だけは入場料が割引になったりしていました(笑)。これは「MITのオタクの皆さん、がんばってウェルズリー大学の女の子達を誘ってくださいね」という大学側からの粋な計らいなのか?とか思ってちょっと笑ったww
さて、上述した様に、最近の僕のスケジュールは本当に一杯一杯で、やらなきゃいけない事が溜まりに溜まっている為、せっかく誘ってもらった雪祭りも泣く泣くキャンセルする事に(悲)。と言う訳で、今回はウェルズリー大学のキャンパスを訪れる事が出来なかったんだけど、実はですね、このキャンパスがちょっと凄いんです!何が凄いって、この大学、「全米で最も美しい大学キャンパス、ベスト10」なるものらしいんですよね(驚)。
そもそも僕がこの大学を訪れたのは全くの偶然でした。
1月2日にイェール大学へ行こうと思い、朝一番の列車に乗ろうとした所、エンジントラブルで電車が全く動かず‥‥。で、1時間待たされた後、やっと動いたかと思いきや、30分くらい走った所で今度はまさかの車輪の故障(悲)。その後館内アナウンスが流れ、「2時間後に緊急車両が来るので、それに乗り換えてください」とか何とか(怒)。この時点でもう既にお昼前だったので、片道2時間30分も掛かるイェール大学に行くのは泣く泣く断念。で、全く予定が開いてしまったその日の午後を埋め合わせる為に、「何処か近場で良い所無いかなー?」と探していた所、僕の頭をよぎったのがウェルズリー大学だったという訳なんです。理由は簡単で、この大学、スペイン建築界の巨匠ラファエロ・モネオ設計の美術館を所有しているからなんですね。
とは言ってもラファエロ・モネオのデザインはそんなに好きではないので、「まあ、一応見ておくか」くらいのかなり軽い気持ちで来たのですが、来てみてビックリ!モネオの美術館どころの話じゃなくって、そのキャンパスの圧倒的な美しさに魅了されちゃったと言う訳なんです。
と言う訳で先ずは行き方から。一番簡単なのは、MITの正門前から両大学を繋ぐシャトルバスが出ているので、それに乗っていけば45分程で到着しちゃいます。ちなみに料金は片道3ドルでMITかウェルズリーのIDを持っていれば無料で乗れます。
もしくはボストン市内のSouth Stationから電車に乗って30分という手もあります。その場合の最寄り駅はWellesley Square駅で、電車を降りたら真ん前にある大通りを、今乗ってきた電車と同じ方向に進みます。
歩く事5分、交差点の向こう側に「ウェルズリー大学」と書かれた看板が見えてくると思います。ここが正門。
で、取り合えず門を入って道なりに進んでいくと、くねくね道を抜けたその先に視界が「パッ」と開ける広場に出るんだけど、そこに展開しているのがこの風景:
じゃーん!1875年に開校されたというウェルズリー大学のど真ん中に聳え立つ、歴史の重みを感じさせるに十分な校舎の登場〜。重厚なレンガ造りの塔に、真っ白な雪化粧が本当に良く似合います。
この大学の基本的な建築スタイルは、橙色のレンガ造に緑色の屋根、もしくはグレーの尖塔の組み合わせとなっていますね。まあ、つまりはアメリカの典型的な大学で良く見掛けるデザインなんだけど、その中でもこのウェルズリー大学のキャンパスを特別なものにしている要素、それがここに広がる広大な自然なんですね。
緑溢れる自然の中にゆったりと配置された校舎の数々。
木々の間からチラチラ見えるレンガ造の建築。
自然が創り出した美と、人間が創り出した美が「これでもか!」と言うくらいのハーモニーを醸し出し、我々の心に直接訴えかけてくるかの様ですらあります。その中でも本当に素晴らしいと思ったのがコチラです:
そう、何とこの大学、敷地内に大きな大きな湖があるんです!これが結構大きくて、岸辺に沿って歩いてみたんだけど、一周するのに1時間半近くも掛かってしまいました。
反対側へ渡った所から見える、レンガ造の校舎を背景にした湖の醸し出す雰囲気は格別です。「この風景を見る為だけにここに来てもいい」、そう僕に思わせてくれる程の質がこの空間には存在します。
ちなみにこの大学は寮制になっているらしく、一度は住んでみたいと思わせてくれる様な素敵な建築があちらこちらに点在していました。
そして日が暮れてくるとこんな感じ:
夕暮れ時の風景に言葉はいりません‥‥。
今まで世界中で様々な絵画作品を見てきたんだけど、自然が創り出す夕焼けの美しさに対抗出来る様な創作物は一枚も無かった様に思います。
‥‥人間という生き物は、こんな圧倒的な自然の美、「掛替えの無い一瞬」を、何とか2次元のキャンパスに留めておこうとあらゆる手段(手法)を編み出し、そしてこれからも編み出して行く事でしょう。
それは例えば、光のエッセンスだけを取り出してみたり(ターナー)、現実そのままというよりは、寧ろ5感で感じたままの印象を大事にしたり(ルノアール、モネ)、はたまた人物や風景を一度分解して、その後にもう一度再構成してみたり(ピカソ)‥‥。
これら全ての試みは、「写真」とは全く違う形で美を捉えようという試み、云わば、「現実の美しさを一分の狂いも無く完璧に捉えてしまう事の出来る写真」を「人間の創造力で超えてみよう」という試みなんですね。
なんとかして自然の神秘の片鱗をキャンパスに再現しようとする、その努力、その工夫‥‥そんな人間の「果てしない創造力/想像力」にこそ僕は感動してしまいます(地中海ブログ:ガリシア旅行その8:アルヴァロ・シザの建築:セラルヴェス現代美術館(Museu de Arte Contemporanes, Fundacao de Serralves):人間の想像力/創造力とは)。
‥‥こんな美しい風景の前に佇んでいると、このウェルズリー大学に展開している風景は、アメリカという国、ひいてはニューイングランドというこの地方に古くから伝わる社会文化的なものを、正に一撃の下に視覚化してくれている‥‥そんな気がしてくるから不思議です。
そう、ここに広がっている風景は、この広大なアメリカという国が生んだ教育システムと、それが要求した建築、そしてニューイングランドという大変厳しい気候の中で育まれた社会文化、それら3つの軸が交わる上にしか存在し得ない大変希有な存在であり、この地方の表象となっているのです。
そういう意味において、ウェルズリー大学のキャンパスはボストンに来たら絶対に見るべきものの1つ、訪れるべき場所の1つに数えられると僕は思います。そして欲を言えば、それは雪が降った次の日、もしくは雪が積もっている風景を見に来るのがベストかな?とも思います。何故ならボストンという地方を特徴付けている要素の1つは、正にこの大変美しい雪化粧だと思うからです。ボストンに来たのにこの風景を見ないなんて勿体無い!
超おすすめです!
先週末ボストンには史上最強クラスのBlizzard(雪嵐)なるものがやってきて猛威を振るいまくってたんだけど、つい3ヶ月前にはコレ又史上最強クラスのハリケーンが来たばかりだったし、ある意味今年は当たり年なのでしょうか?(苦笑)。
今回の雪嵐到来(金曜日の深夜)の為に、MITでは金曜日の授業は全てキャンセル、大学は全面閉鎖という事態に追い込まれてしまいました。当然の如く公共交通機関も金曜日の午後4時でストップし、更にマサチューセッツ州知事の緊急事態宣言と共に、「16時以降、道路を自動車で走ったり駐車したりしたら罰金を科せます」みたいな宣言が出されるまでに。どうやらこれは、自家用車で走ってて事故を起こしたり渋滞とかしちゃうと雪かき機や救急車などの緊急車両の邪魔になるからと言う事らしい。「街自体はかなり脆弱でも、そういうノウハウだけは一応持ってるんだな‥‥」という事を発見(笑)。
ちなみに僕は、夜はカフェに行ってコーヒーを飲まないと落ち着かない性格なので、猛吹雪の中、近くのカフェに行こうと外に出たら10秒で真っ白になりました(笑)。それにもめげず、風速60メートルくらいの嵐の中、いつもなら歩いて5分も掛からないカフェに15分も掛けて行ったのに、行ってみたらその日は臨時休業でガッカリ。まあ、そりゃそうでしょうね(苦笑)。
さて、Twitterの方では結構流しているのですが、先週末ボストン郊外にあるウェルズリー大学(Wellesley College)で日本文化に焦点を当てたお祭り、「雪祭り」なるものが開催されていました。「ウェルズリー大学とは一体何か?」と言うとですね、ハーバード大学やコロンビア大学などと言ったアイビーリーグに対抗して創られた(?)セブンシスターズという7つの東部私立名門女子大の1つで、リベラルアーツカレッジランキングでは毎年上位5位以内に入る超名門校だそうです(Wikipediaより)。ヘェー。ヘェー、ヘェー。
セブンシスターズって、聖闘士星矢とかに絶対出てきそうな名前なんだけど(笑)、ちょっと調べてみたら卒業生にはヒラリー・クリントンや、ロザリンド・クラウス(美術批評家)がいるじゃないですかー!
「ロザリンド・クラウスと言えば、「オリジナリティと反復」、「視覚的無意識」そして「ピカソ論」なんか良く読んだなー‥‥」という事を思い出します。そうか!確か彼女はハーバード大学でPh.Dを取ってるから、学部時代はウェルズリー大学で過ごしたと言う訳ですね。って言うか、彼女がウェルズリー大学出身だって知ってる人ってあまりいないんじゃないかな?
そんなの聞いた事無いし、個人的には大発見なのですが‥‥。多分彼女は学部時代からハーバードに通ってて、そこで直接(彼女の師にあたる)クレメント・グリーンバーグに会ったって事だと思います。ロザリンド・クラウスがグリーンバーグに初めて会った時、「な、何?君がロザリンド・クラウスか?君の書いた文章から、私は少なくとも(今の君の年齢よりも)10歳は年上だと思ってた」みたいな事を言われたというのは良く知られている伝説ですけどね。
ちなみにオタク君達の集まりであるMITは、この超エリート女子大と50年も前から大変親密な関係にあるらしく、大学間の単位交換は勿論の事、両大学を結ぶシャトルバスが出ていたり、映画やミュージカルなど様々なイベントを共同開催したりしているんですね。冬休み期間中には、MITの学生センターでホラー系のミュージカルが行われてて、何故だか知らないけど、MITとウェルズリー大学の学生だけは入場料が割引になったりしていました(笑)。これは「MITのオタクの皆さん、がんばってウェルズリー大学の女の子達を誘ってくださいね」という大学側からの粋な計らいなのか?とか思ってちょっと笑ったww
さて、上述した様に、最近の僕のスケジュールは本当に一杯一杯で、やらなきゃいけない事が溜まりに溜まっている為、せっかく誘ってもらった雪祭りも泣く泣くキャンセルする事に(悲)。と言う訳で、今回はウェルズリー大学のキャンパスを訪れる事が出来なかったんだけど、実はですね、このキャンパスがちょっと凄いんです!何が凄いって、この大学、「全米で最も美しい大学キャンパス、ベスト10」なるものらしいんですよね(驚)。
そもそも僕がこの大学を訪れたのは全くの偶然でした。
1月2日にイェール大学へ行こうと思い、朝一番の列車に乗ろうとした所、エンジントラブルで電車が全く動かず‥‥。で、1時間待たされた後、やっと動いたかと思いきや、30分くらい走った所で今度はまさかの車輪の故障(悲)。その後館内アナウンスが流れ、「2時間後に緊急車両が来るので、それに乗り換えてください」とか何とか(怒)。この時点でもう既にお昼前だったので、片道2時間30分も掛かるイェール大学に行くのは泣く泣く断念。で、全く予定が開いてしまったその日の午後を埋め合わせる為に、「何処か近場で良い所無いかなー?」と探していた所、僕の頭をよぎったのがウェルズリー大学だったという訳なんです。理由は簡単で、この大学、スペイン建築界の巨匠ラファエロ・モネオ設計の美術館を所有しているからなんですね。
とは言ってもラファエロ・モネオのデザインはそんなに好きではないので、「まあ、一応見ておくか」くらいのかなり軽い気持ちで来たのですが、来てみてビックリ!モネオの美術館どころの話じゃなくって、そのキャンパスの圧倒的な美しさに魅了されちゃったと言う訳なんです。
と言う訳で先ずは行き方から。一番簡単なのは、MITの正門前から両大学を繋ぐシャトルバスが出ているので、それに乗っていけば45分程で到着しちゃいます。ちなみに料金は片道3ドルでMITかウェルズリーのIDを持っていれば無料で乗れます。
もしくはボストン市内のSouth Stationから電車に乗って30分という手もあります。その場合の最寄り駅はWellesley Square駅で、電車を降りたら真ん前にある大通りを、今乗ってきた電車と同じ方向に進みます。
歩く事5分、交差点の向こう側に「ウェルズリー大学」と書かれた看板が見えてくると思います。ここが正門。
で、取り合えず門を入って道なりに進んでいくと、くねくね道を抜けたその先に視界が「パッ」と開ける広場に出るんだけど、そこに展開しているのがこの風景:
じゃーん!1875年に開校されたというウェルズリー大学のど真ん中に聳え立つ、歴史の重みを感じさせるに十分な校舎の登場〜。重厚なレンガ造りの塔に、真っ白な雪化粧が本当に良く似合います。
この大学の基本的な建築スタイルは、橙色のレンガ造に緑色の屋根、もしくはグレーの尖塔の組み合わせとなっていますね。まあ、つまりはアメリカの典型的な大学で良く見掛けるデザインなんだけど、その中でもこのウェルズリー大学のキャンパスを特別なものにしている要素、それがここに広がる広大な自然なんですね。
緑溢れる自然の中にゆったりと配置された校舎の数々。
木々の間からチラチラ見えるレンガ造の建築。
自然が創り出した美と、人間が創り出した美が「これでもか!」と言うくらいのハーモニーを醸し出し、我々の心に直接訴えかけてくるかの様ですらあります。その中でも本当に素晴らしいと思ったのがコチラです:
そう、何とこの大学、敷地内に大きな大きな湖があるんです!これが結構大きくて、岸辺に沿って歩いてみたんだけど、一周するのに1時間半近くも掛かってしまいました。
反対側へ渡った所から見える、レンガ造の校舎を背景にした湖の醸し出す雰囲気は格別です。「この風景を見る為だけにここに来てもいい」、そう僕に思わせてくれる程の質がこの空間には存在します。
ちなみにこの大学は寮制になっているらしく、一度は住んでみたいと思わせてくれる様な素敵な建築があちらこちらに点在していました。
そして日が暮れてくるとこんな感じ:
夕暮れ時の風景に言葉はいりません‥‥。
今まで世界中で様々な絵画作品を見てきたんだけど、自然が創り出す夕焼けの美しさに対抗出来る様な創作物は一枚も無かった様に思います。
‥‥人間という生き物は、こんな圧倒的な自然の美、「掛替えの無い一瞬」を、何とか2次元のキャンパスに留めておこうとあらゆる手段(手法)を編み出し、そしてこれからも編み出して行く事でしょう。
それは例えば、光のエッセンスだけを取り出してみたり(ターナー)、現実そのままというよりは、寧ろ5感で感じたままの印象を大事にしたり(ルノアール、モネ)、はたまた人物や風景を一度分解して、その後にもう一度再構成してみたり(ピカソ)‥‥。
これら全ての試みは、「写真」とは全く違う形で美を捉えようという試み、云わば、「現実の美しさを一分の狂いも無く完璧に捉えてしまう事の出来る写真」を「人間の創造力で超えてみよう」という試みなんですね。
なんとかして自然の神秘の片鱗をキャンパスに再現しようとする、その努力、その工夫‥‥そんな人間の「果てしない創造力/想像力」にこそ僕は感動してしまいます(地中海ブログ:ガリシア旅行その8:アルヴァロ・シザの建築:セラルヴェス現代美術館(Museu de Arte Contemporanes, Fundacao de Serralves):人間の想像力/創造力とは)。
‥‥こんな美しい風景の前に佇んでいると、このウェルズリー大学に展開している風景は、アメリカという国、ひいてはニューイングランドというこの地方に古くから伝わる社会文化的なものを、正に一撃の下に視覚化してくれている‥‥そんな気がしてくるから不思議です。
そう、ここに広がっている風景は、この広大なアメリカという国が生んだ教育システムと、それが要求した建築、そしてニューイングランドという大変厳しい気候の中で育まれた社会文化、それら3つの軸が交わる上にしか存在し得ない大変希有な存在であり、この地方の表象となっているのです。
そういう意味において、ウェルズリー大学のキャンパスはボストンに来たら絶対に見るべきものの1つ、訪れるべき場所の1つに数えられると僕は思います。そして欲を言えば、それは雪が降った次の日、もしくは雪が積もっている風景を見に来るのがベストかな?とも思います。何故ならボストンという地方を特徴付けている要素の1つは、正にこの大変美しい雪化粧だと思うからです。ボストンに来たのにこの風景を見ないなんて勿体無い!
超おすすめです!