地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
ボストンで出逢う事が出来た素敵な人達:さようならボストン
最近のボストンの天候と言えば、平日はがんがん晴れてるのに週末になると雪嵐になるっていう非常に不安定な‥‥と言うか、非常に不公平な日々が続いています(悲)。どうせだったら、研究室にいる平日は雨でもいいので、週末は晴れてほしいなー‥‥とか思いつつ。



例によって今日(3月2日、土曜日)もどんより曇り空。今にも泣き出しそうなボストンの空模様は、まるで今の僕の心を映し出しているかの様ですらあります。

‥‥僕は今、この記事を空港で書いています‥‥。

そう、丁度6ヶ月前、右も左も分からずに、かなり不安な気持ちで到着したこのボストン空港から、今度はバルセロナに向けて再び旅立つ日がやってきてしまいました(地中海ブログ:今日から半年間ボストンに滞在します)。

思えばこの6ヶ月、「本当に早かったなー」というのが正直な所かな。特に最後の一ヶ月なんて本当にあっという間だったと思います。「時間があっという間に過ぎている」という事は、それだけ「日々の生活が充実している」という事でもあり、楽しく過ごせているという事の裏返しでもあります。



僕のボストンでの生活は、度々このブログにも名前が登場する慶応大学の深見嘉明さんにお会いした時から始まったと言っても過言ではありません(地中海ブログ:ももクロの「さらば、愛しき悲しみたちよ」のPVを見て思った事)。深見さんがいなかったら、僕のボストン滞在はこんなに楽しく、そして充実したものにはなっていなかったと思います。

その当時、住む所を探していた僕に素晴らしいシェアハウスを紹介してくれたのは深見さんでした。



その深見さんを通して知り合う事が出来たのが、その後半年間一緒に住む事になる山田さんとOさん。Oさんに初めてお会いしたのは、セントラル・スクエアにあるスターバックスの前でしたね。



僕にとってOさんとの出逢いは新鮮な驚きでした。コンテクストは全く違うけど、ある意味、岡部明子さんにお会いした時と同じくらいの衝撃を受けたと言っても過言ではないと思います(地中海ブログ:とっても素敵な出会いがありました:岡部明子さんとグラシア地区を歩く)。



一緒に住んでいた事もあって、くだらない世間話をしたり、色んな所へ一緒に出掛けたりと、結構長い時間を過ごしたと思うのですが、その中でも特に印象に残っているのはカニ・パーティーの出来事かな。



他愛も無い話題から、誰かがふとこんな問い掛けをしました。「みなさん、どうしてボストンに来ようと思ったのですか?」‥‥と。みんな一人一人答えていったのですが、そんな中、いつも明るく笑顔を絶やさなかったOさんの顔が一瞬曇り、「実は凄く迷いました‥‥。10年前日本へ行ったばかりの時に感じたあの孤独感、寂しい想いはもうしたくなかったから‥‥」と言われていたのが今でも耳に残っています。

言葉も文化も全く知らない国に一人で行って、そこから何かを積み上げていく/創り上げていくと言う事は並大抵の事ではありません。その国の言葉を覚え、その土地の歴史や文化を理解し、その国の人達と競い合いながら生きて行くという事の辛さ、過酷さ、そして楽しさは、僕自身スペインで嫌というほど体験した事なので。

国は違えど同じ様なバックグラウンドを持ち、同じ様な環境で、しかも僕なんかよりもよっぽど上手く立ち回られているその姿、ある意味人間として尊敬出来る存在だと思っています。半年間、貴方と一緒に住む事が出来て本当に嬉しかったです。ありがとう。



9月初旬、深見さんとOさんと一緒に行った谷さんのアパートで、(MITとハーバードの間に位置する)セントラルスクエア周辺に住んでる日本人の人達と知り合う機会に恵まれました。



何故か日本のママチャリでボストン中を駆け回っている丸野さん、ボストンで非常に美味しい日本食を出すレストラン、カフェ魔美に行くのに何時も付き合ってくれたマロ君、十分な食材が手に入らないボストンで、俄には信じられないクオリティの料理を創り出してくれる谷さんとはそこで初めてお会いしました。

丸野さんとは同年代と言う事もあり、ラーメン屋や食べ放題のお寿司屋さんで、いつも取り留めの無い話で盛り上がっていました。

マロ君、そしてその後知り合う事になる竹内さんからは、研究者としての考え方というものを教えてもらった様な気がします。しゃぶしゃぶ屋さんなんかで、これ又どうでも良い話で盛り上がっていたのですが(笑)、その節々に出てくるお二人の専門分野における裏話なんかが僕にとっては大変新鮮で、本当に多くの事を学ばせてもらいました。



谷さんには年末年始、ご自宅で開かれた年越しパーティーに呼んで頂きました(地中海ブログ:新年あけましておめでとうございます2013:Feliz Año NuevoとFeliz Ano Nuevoの違い)。深見さんの送別会で初めてお会いした時の事、遅れて来た丸野さんが何も召し上がってなかったのを見て、即興で無茶苦茶美味しいおにぎり、そしてラーメンを作られていましたよね。あれを見た時から、「この人は出来る!」と密かに思っていました(笑)。その後丸野さん、井上さんと一緒にお聞きした「乙女辞典」のお話には度肝を抜かれましたけどね(笑)。



僕が今の家に引っ越して来て直ぐの事、右隣の部屋に住んでいた中島さんに携帯電話を買いに行くのに付き合ってもらい、更にOさんと3人でボストンでも美味しいと評判のパスタ屋さんへ連れて行ってもらいました。



更に更に、前の部屋に住んでいたルーシーも交えて日本食/中華料理パーティーを開催した時の事、中島さんがかなり手の込んだパスタを作られてきてビックリ。あの時ルーシーが作った麻婆豆腐の味が今でも忘れられません。



ボストンもかなり寒くなってきた頃の事、Oさんと丸野さんと一緒にボストンに新しく出来た評判のラーメン屋さんに行ってみようという話があったのですが、その時僕は体調が悪く直前にキャンセルしてしまい、夜の飲み会だけ参加したら、何故かそこに見知らぬ人達が‥‥その人達こそ井上さんと浅井さんだったのですが、「どうやって知り合ったんですか?」とお聞きしたら、ラーメン屋で並んでいたら前に居ましたとか何とか(笑)。そんなひょんな出逢いだったんだけど、今では井上さんはうちのアパートの住人だって言うんだから、人間何が縁になるのか分かりません。



11月も半ばを過ぎた頃、セントラルスクエアにあるイタリアンレストラン、シンデレラで、その後何度となく飲みに行く事になる竹内さんと初めてお会いしました。その数日後、竹内さんにはマロ君と一緒にラーメンを食べに連れて行ってもらったんだけど、その日は偶々ボストン中が大停電になった日で、それはそれで思い出深い出来事になりました(地中海ブログ:リアル、エヴァンゲリオンの世界を体験してしまった:MITを含むケンブリッジ市の大停電)。



そうこうしている内に年末になり、ある日突然Oさんから電話が。「何事か!」と思いきや、「年末年始に友達がボストンに来るので、美術館に行こうと思っています」とか何とか。で、「友達をキチンと案内したいので、予行練習してください」だって(笑)!いつもは一人で行く美術館だったんだけど、2人で回る美術館はこれまた結構新鮮で、それはそれで楽しい体験でした(地中海ブログ:ボストン美術館に再現されているカタルーニャ・ロマネスク教会)。



その後近くのイタリアンレストランへ行き、「一人一皿づつパスタを頼んで、ちょっとづつ味見しよっか」と言い合ってた時の事、Oさんが「じゃあ、フィッシュ&チップスも頼もう」とか言い出して、「えー、ちょっと多いんじゃないの?」とか内心思ったんだけど、案の定、店員さんに注文したら「二人で3皿は多いからやめなさい」と怒られる始末(笑)。



しかもパスタだけで僕は結構お腹が一杯だったんだけど、そのレストランの前にあるイタリア系のお菓子屋さんで、Oさんが大量のお菓子&ケーキを買い込んでいたのにはかなり驚きました。「え、まだ食べるの?」みたいな(笑)。



年末年始には家のアパートに沢山のゲストの皆さんが来られた事などから、井上さんのご提案で中華街でロブスターを買ってきて、それを調理しようという事になりました。一匹10ドル前後であの味はかなりお得!それ以来、ことある毎に我が家ではロブスターを買ってきたりカニを買ってきたりして、家で調理して楽しむ機会が増える事に。



年明けに竹内さんから紹介して頂いた菊地さん!ボストン生活も残り一ヶ月となってきた時期だったんだけど、最後の最後にきて大変面白い方と知り合う機会に恵まれました。菊地さん、何と名古屋ゆかりの方で、その関係でボストンに在住している名古屋に縁のある人達が集まる飲み会、「名古屋会」なるものに誘って頂ける事に。主にお医者さんの集まりだったんだけど、今まで医学系の方と知り合う機会が無かったものだから、個人的にはかなり興味深い体験だったかなと思います。



そして勿論、研究室で仲良くしてくれたみんな‥‥。毎日の様にランチを一緒に食べに行き、苦楽を共にしながらもお互いはライバル同士。でも分からない事があると、いつも助け船を出してくれたり、計算を手伝ってくれたりしました。Stan, Alex, Markus, Micheal, Ricardo, Sebastian, Chao, Tao, Dietmar, David, Lauren, Gabriela、そしてCarlo‥‥。本当にありがとう。



‥‥と、ボストンでの思い出を書いていけば本当にキリがありません。ここに書いた事は、僕がこの6ヶ月の間に出逢った人達、お世話になった方々と築く事が出来た抱え切れないくらいの思い出、その中の極々一部のものに過ぎません。この他にも本当に沢山の人達との出逢い、そして支えがあったからこそ、ボストンでの生活はこんなにも充実したものになったのだと思っています。



‥‥深見さん、見てますか‥‥。あなたが紹介してくれたアパートで、あなたがボストンからいなくなった後、こんなに沢山の、そしてこんなに楽しい思い出を作る事が出来ました(って書くと、深見さん、亡くなった人みたいなんだけど、今もしっかり生きて大活躍なされてます(笑))。

Oさんは僕に、「cruasanさんはバルセロナに帰ったら私達の事なんて直ぐに忘れてしまうんでしょうね」って言われました。

‥‥人間は忘却の生き物だと良く言われます。何故なら人間は日常で起こった全ての事を覚えていては生きてはいけない生き物だからです。その一方で、時に僕達は、人生にとって決して忘れてはいけない体験や経験をしたりもします。

忘れる事、忘れなきゃいけない事、忘れちゃいけない事、そして忘れられない事‥‥それらの葛藤の狭間に生きているのが人間という生き物なのであり、この6ヶ月の間に起こった様々な出来事は、僕にとって「忘れてはならない事」、いや「忘れられない事」なのです。

‥‥空港の館内放送がローマ経由バルセロナ行きの搭乗案内を始めました。

こんな素敵な思い出を胸に、僕は今から暖かい地中海へ帰ろうと思います。

もう一度言います。
僕はこの半年間に起こった事を一生忘れません。



ボストンで僕に出逢ってくれたみなさん、ありがとう。



ボストンで僕と仲良くしてくれたみなさん、ありがとう。



ボストンで僕を支えてくれたみんな、本当にありがとう。

さようならボストン。
そしてこんにちは、バルセロナ!
| バルセロナ日常 | 05:57 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
新年あけましておめでとうございます2013:Feliz Año NuevoとFeliz Ano Nuevoの違い
新年あけましておめでとうございます。



2013年の始まりを、今年はボストン(ケンブリッジ)で仲良くなった友達の家(日本人)で過ごしています。僕が住んでいるケンブリッジ市はとても小さな街ではあるんだけど、この辺りにはハーバード大学やMIT、タフツ大学やボストン大学など、非常に沢山の大学が集まっている為、在住日本人の数も(スペインに比べて)半端無く、しかもクリスマスから年末に掛けては欧米人の殆どが帰省しているので、「じゃあ、残っている人達だけで新年をお祝いしよう」という集まりに誘ってもらいました。



今回お邪魔させて頂いたのは、ご近所のTさんのお宅。事前に「おせち料理作ります」みたいなご案内が来てたんだけど、着いてみてビックリ!



かなり本格的なおせち料理じゃないですかー!



凄い!こんなの見た事無い!



しかも最後には年越しそばまで出て来た(驚)。

‥‥年末にソバとか食べてホッとする‥‥。みんなで、あーだ、こーだ言いながら、紅白を見て盛り上がる(もちろん録画)。こんな時、「あー、やっぱり僕は日本人なんだなー」と感じざるを得ません。そしてこの様な文化は「世界的に見ても稀である」と、ヨーロッパに13年住んだ今ならハッキリ言う事が出来ます。



間違っちゃあいけないんだけど、僕はここで日本文化が他の文化(例えばスペイン)に比べて優れていると言っている訳では決してありません。



これはどちらが優れているとか、どちらが劣っているとかそういう問題なのでは無く、それらは只単に違う文化なのであり、世界とはその様な多様性に満ちているからこそ輝いていると言う事なのです。



「地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りする」というコンセプトの下、地中海ブログを初めて早7年。最初の頃は単なるメモ程度のノリだったんだけど、今では毎日約5000人ほどの人達に見て頂けるまでに成長し、僕のTwitterも含めると、「1つの小さなメディアを形成しつつある」と言っても過言ではない状況となってきていると思います。



去年は活動の拠点を(テンポラリーながらも)住み慣れたヨーロッパからアメリカに移したり、建築・都市計画だけでなく、その他の分野にも進出するという大変大きな転換点があったんだけど、何処の国に行ったって僕の基本的な姿勢=日本人という視点から多文化を語るというコンセプトに変わりはありません。

今年も昨年同様、僕の独断と偏見で勝手な事を思いっ切り書いていこうと思っています。そんな超わがままな地中海ブログですが、引き続きご愛読頂ければ幸いです。

当ブログの読者の皆さんにとっても素敵な年になりますように。
そして今年も宜しくお願い致します!

Happy New Year!
Feliz Año Nuevo!(スペイン語)
Bon Any Nou!(カタラン語)

追記:
スペイン語で「あけましておめでとう」はFeliz Año Nuevoと言います。でも、日本のキーボードにはñが無いので、Feliz Año Nuevoと書こうとしてFeliz Ano Nuevoとなってしまっているのを良く見掛けます。これはマズイ!何がマズイって、Anoとはスペイン語で「お尻の穴」という意味なので、「あけましておめでとう」と言ったつもりでも「新しいお尻の穴、おめでとう(Feliz Ano Nuevo)」と言ってる事になってしまうので気を付けましょう(笑)。

追記その2:
タイムズスクエア(ニューヨーク)のカウントダウンの生中継を見てる時、「今年はビヨンセが出る」というガセネタが駆け巡り(笑)、彼女の登場を待つ間、誰かの映像で繋ぐ事に。で、偶然にもその場に居た8人中3人もが松田聖子の大ファンである事が判明し、今年最初に見た映像は何故か松田聖子(笑)。ちなみに下の動画は松田聖子のデビュー時の映像。デビューなのに歌上手過ぎ。

| バルセロナ日常 | 11:05 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
地中海ブログ、今年最も読まれた記事ランキング2012
早いもので、2012年も残す所あと2日となってしまいました。今年は住み慣れたスペインを離れ、見た事も聞いた事も無い異国の地、ボストンに滞在するなど、身の回りで様々な事が劇的に変化し、本当に色んな事があった激動の年だったんだけど、「年末が非常に忙しい」というのは何処の国に行ってもあまり変わるものでは無いらしく、なんだかんだと言って、せわしない年末を過ごしています。



そんな中、今日の朝起きてみたら一面銀世界!昨日の夕方頃から雪が降り始め、暗くなる頃には結構吹雪いてたんだけど、朝になってみたら20センチはあろうかという積雪!こんなに大量の雪を見たのは、12年前に日本を出た時以来かな。それにしても寒い!

さて、この時期になるとブロガーの皆さんがよくやっているのが、「今年最も読まれた記事ランキング」。今年一年の纏めと言う意味でも大変有益だと思うので、僕も真似してやってみる事にしよう。と言う訳で、早速第5位ー。ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカ、ジャーン:



第五位:「まるで森林の中に居るかの様な建築:サグラダファミリアの内部空間」

ローマ法王のバルセロナ訪問に合わせて急ピッチで創られたサグラダファミリアの内部空間、そしてそれを記念して行われた一般公開に関する記事が堂々のランクイン!2年前に書いた記事なんだけど、毎月一定数以上のアクセスがあり、ガウディやサグラダファミリアの知名度、そしてその人気振りを反映しているかの様ですらあります。ちなみにTwitterの方では、「ナウシカに出てくる腐海の奥底の様な風景」としてかなりRTされていました。それでは第4位:



第四位:「映画:愛を読む人(The Reader):恥と罪悪感、感情と公平さについて」

日本でも公開され大反響を呼んだ話題作、「愛を読む人」の映画評が今年の第4位にランクイン。こちらもかなり前に書いた記事なんだけど、日本のテレビで放映されたり、DVDが発売されたりと何かしらのイベントがある度にアクセスがかなりあって、息の長い記事となっています。僕が各所で映画評をやるキッカケになった記事でもあるので、ちょっと感慨深いかな。そして今年の第3位:



第三位:世界最悪の絵画修復が村の最高の宣伝になってしまった件とか、HUNTER x HUNTERの中に密かにバルセロナが登場する件とか

世界中を震撼させた絵画修復に関する記事。ことの発端は、スペインの小さな村に住むド素人のおばあちゃんが、その村の教会に放置されていた絵画を勝手に修復してしまった結果、元の絵画とは全く別物になってしまった(笑)‥‥というもの。このニュースはみるみる内に世界中に広がり、結果、この村にとって計り知れない程のマーケティング効果を生む事に。このお婆ちゃん、一夜にしてピカソに並んだ(笑)。ちなみにこの記事ではオマケとして、HANTER X HANTERに登場するヨークシンシティが実はバルセロナだと言う事が明らかにされています。そして今年の第2位:



第二位:「スペインの新聞、La Vanguardia紙に載った村上春樹氏のインタビュー全訳」

スペインの新聞に載った世にも珍しい村上春樹さんのインタビュー記事の全訳が、今年最も読まれた記事第2位にランクイン!村上さん、日本では「1Q84の続編は無い」って断言してたのに、バルセロナでは地中海の開放的な雰囲気が彼の心を開放的にしたのか、1Q84の続編を示唆する発言をしちゃったんですね。「まあ、ヨーロッパの端っこ、スペインの新聞なんて誰も読んでなさそうだからいっか」みたいに思ってたかも知れないけれど、そうは問屋が卸しません!そんなコメントを僕が見逃す筈も無く(笑)、全訳しちゃいました。翌日にはTwitterを通して日本中に瞬く間に広がり、各種メディアもこのブログ記事を元ネタに新聞記事を作成する程に。「ブログやTwitterが情報の一次情報になりつつある」という事を実感した記事でもあったかな。そしてそして、2012年に最も読まれた記事、堂々の第1位はー!:



第一位:「スペイン人に教えてもらった、誰にでも出来る美味しいパエリアの作り方」

冷蔵庫にあるものだけで30分以内に簡単に出来ちゃうパエリアの作り方が今年最も読まれた記事になりました。オメデトー。結局この記事には、はてなブックマークが約3000個ほども付き、今ではパエリアと言ったら、「このパエリア」が日本の多くの家庭で作られていると言っても過言では無い状況となっていると思います(半分冗談、でも半分は本当(笑))。今度は是非、「スペイン人に教えてもらったフィデウア」編をやってみようかな。

という訳で、今年の地中海ブログ最も読まれた記事ランキング2012でした。
2013年まであと2日!残された2012年の年末を思いっ切り楽しもう!
| バルセロナ日常 | 05:25 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ガリシア地方で過ごすバカンス:田舎に滞在する事を通して学ぶ事
ちょっと重たい建築ネタが続いたので、今日は少し気分転換という事で。

現在僕が滞在しているスペイン北部ガリシア地方のド田舎というのは、オウレンセ地方を流れるSil川の湖畔に佇む大変美しい人口500人足らずの小さな小さな村です。



周りにコレと言った観光要素も無い為に、村内では外国人は勿論の事、他県からのスペイン人すら殆ど見掛ける事はありません。この村に居る人と言えば、元々この村で育ち、今は隠居生活を送っているお爺ちゃん、お婆ちゃん、もしくは彼らの息子や娘が夏休みで実家に帰省している場合が99%を占めるんですね。残りの1%は、僕の様な「知り合いの知り合い」みたいな人達だと思うんだけど、そんな人は本当に稀なので、翌日にはカフェでのおしゃべりのネタにされている事間違い無し!噂話が1時間で村中に知れ渡る、それくらい小さな村なのです。



この様なヨーロッパの田舎に来ると、「みんなで集まって住む事の起源」みたいなものが、その村の構造を通して垣間見える様な気がします。そもそもヨーロッパにおける村というのは、常に教会の周りに発達してきたんだけど、何故かと言うと、悪魔の存在が信じられていた遥か昔においては、鐘の音が聞こえる範囲は浄化されていて「悪魔が近寄る事が出来ない」と思われていたからです。だから(ドラクエに見られる様に)悪魔と言うのは常に森の中で出会う事になる訳ですよ!

そんなド田舎での生活は教会の鐘の音、そして鶏の「コケコッコー」という鳴き声と共に始まります。そして何をするかというと、基本的に何もしない(笑)。そう、生産的な事は何もしない、これこそスペイン人達の究極のバカンスの過ごし方なのです!で、僕も度々挑戦してるんだけど、コレが結構難しいんだなー(笑)。そんな「毎日ぼーっとする事を心掛けている(笑)」最近の僕の楽しみがコチラです:



この村に一軒だけあるパン屋さん、そこに焼きたてのパンを買いに行く事が毎日の日課になりつつあるんですね。何故こんな事をしているかというと、実はこのパン屋さん、今では非常に珍しくなった昔ながらのパン窯でパンを焼いているんです(パン窯と都市計画についてはコチラ:地中海ブログ:パン屋さんのパン窯は何故残っているのか?という問題は、もしかしたらバルセロナの旧工場跡地再生計画を通した都市再活性化と通ずる所があるのかも、とか思ったりして)。



去年この村に初めて来た時に「あ、パン窯だ!」と、僕があまりにもジロジロと見てたものだから、「パン窯がそんなに珍しいの?良かったら中見てみる?」みたいな感じで見せてもらったのですが、このパン屋のおばちゃんが僕の事を覚えててくれて、「あー、今年も来たの?パン窯見てく?」って言ってくれたので見せてもらう事に!で、今年は結構奥の方まで見せてもらったんだけど、このパン窯が結構奥深い事にビックリ!



ほら、窯の奥の方まで奇麗にパンが並べられているのが分かるかと思います。こちらには今正にパン窯に入ろうとしているパン達が!



で、何時も12時45分くらいに来ると、窯から出したパンをそのまま袋に包んでくれるからアツアツ!しかもしっかりと小麦粉が練り込んであるのでパンが重い!こんなに重いパン、ちょっと珍しいと思います。ちなみにこのパン1つ1ユーロ!



外はカリカリ、中は熱々のふわふわ!このパンを切って口に入れる瞬間ほど幸せな一時はありません。更にこのパンをこちらと一緒に食べるともう最高!



じゃーん、生ハム!しかも丸ごと一本!生ハムの発明はスペイン人が人類にした最大の貢献だと思います。僕がノーベル賞委員会だったら、絶対にノーベル賞あげますけどね(笑)。そしてそして、ガリシアと言えばコレを食べない訳にはいきません:



ガリシア風タコ煮!ガリシア人、本当にタコが大好きなんですよねー。どれくらい好きかと言うと、村の広場に毎日の様にタコの屋台が立って、そこでタコ煮を販売してるくらい!そして勿論トラックのデコレーションもタコ(笑)!



そんなタコとパン、そして近所で分けてもらったワインを食卓に並べると、もうそれだけで一流レストランも真っ青の豪華な昼食の出来上がり〜。



実はこのワイン、近所に住んでるアントニオさんから分けて貰ったんだけど、ガリシア地方では幻のワインと言われていて、と言うのも何年も連続でガリシア州のワイン部門最優秀賞を受賞しているにも関わらず、普通のマーケットで買う事がほぼ不可能と言われているからなんです。何故ならこのワインはアントニオさんが趣味で作ってるだけなので毎年作る本数が少ない上に、その殆どを知り合いのレストランなどに出荷、手元に残った1割程度を地元の仲の良い人達に分けているからなんだとか。



「そんなに人気があるワインなら、もっと機械を導入したり人を雇ったりして生産性を上げればもっと儲かるんじゃないの?」とか、現代人である僕なんかは思ったりしちゃうんだけど、どうやらそういう考え方は都市部に住む人の考え方らしい。彼曰く、自分が飲む分と、知り合いに分ける分、そして来年のワインを作るのに必要な資金を得るだけのワインがあれば十分なんだとか。何故なら彼がワインを作っているのはお金を儲ける為なのではなく、知り合いに「美味しかったよ」って言ってもらう、その一言が何より幸せなのでやっているからなんだそうです。



‥‥もしかしたら一年に一回くらい、こういう全く違う時空間の中で「人間らしく」生きている人々の中に入り込んで人生を見つめ直すって言う事も必要なのかな、と、そう思わされる日々が続いています。

とか書いてたら、今日も0時を告げる教会の鐘の音が聞こえてきました。何時もならここから文章を書いたり、本を読んだり、Youtubeを見たりして寝るのは朝方になるっていうのが日常のサイクルなんだけど、郷に入れば郷に従え。虫達が素晴らしいハーモニーを奏でる中、草の香りのするふわふわのベッドの中に潜り込む事にしよう。
| バルセロナ日常 | 06:31 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
今日から夏休み!:ガリシア地方の田舎で過ごす休暇
長かった様な短かった様な今年度も漸く終わり、今日から待ちに待った夏休みに突入です!毎年の事ながら夏休み前の最後の数週間はミーティングやら忘年度会やらでテンテコ舞い。それこそ酷い日になると分単位という殺人的なスケジュールだったんだけど、まあ、それも夏休みに入った今となっては今年度の良い思い出かなと思います。

約1ヶ月程ある夏休みには毎年日本に帰国して、吉野家の牛丼やコメダのシロノワール、はたまた鰻の蒲焼きや味噌煮込みうどんなんかを心行くまで食すっていうのが毎年の楽しみになってるんだけど、今年は9月から始まる計画の準備が非常に忙しく、夏休みの半分程をその準備に費やす事に決めました。って言っても折角のバカンスを暑くてやってられないバルセロナで過ごすのもどうかな?と思うので、涼しく快適に過ごせるスペイン北部のガリシア地方のド田舎、Petin村に行く事に。



湖の袂に広がる大変美しいこの村の人口は500人足らず。列車を降りた瞬間に、都会(バルセロナ)では殆ど感じる事が出来なくなってしまった土の香りが僕の五感を刺激します。人間って不思議なもので、頭の中ではすっかり忘れてしまっていた記憶が、触覚や嗅覚を通して鮮やかに蘇ってきたりするんですね。僕の場合は子供時代に過ごした実家が自然に囲まれていたので、小さい頃はそれこそ毎日の様に裏山や近くの川に遊びに行ったりしていました。この村に来ると、その時に触れた土の香りや森林の肌触り、川の水の冷たさなど、大自然と戯れていたあの頃にまで一気に引き戻されるかの様で不思議です。



スペイン北部は一年を通して降雨量が多いので、この辺りに広がる風景というのは本当に豊かな緑に包まれています。雨が殆ど降らないスペイン南部や中央部に広がる、砂と岩で構成された風景とは全く違い、まるで1つの国とは思えない程の多様な風景がここには見られるんですね。そしてこんな大自然の中では、都会ではもう見る事が出来なくなってしまった動物達をも身近に感じる事が出来ちゃいます。例えばコチラ:



直径1メートルを超えると思われるコウノトリの巣です。日本では赤ちゃんを運んでくるという逸話と共に知られているコウノトリなんだけど、この鳥がこんなにも大きな巣を作るなんて事を知っている人はあまり居ないのではないでしょうか?ちなみにスペインでは、コウノトリは赤ちゃんを「パリから運んでくる」という逸話になっているらしい(笑)。って事はスペイン人と言うのはフランス人なのかー!?とか、くだらない事を考えてみる(笑)。そしてこの村が誇るお宝がコチラです:



ローマ時代に作られた橋なんですね。この村のシンボルであり誇りでもあるこの橋は、それこそ村民全員の成長を見守ってきたと言っても過言ではありません。だからこそ、この村の人達は誰でも1つや2つ、この橋に纏わる「自分史」みたいなものを持っていて、そういう「いつまでも決して変わる事の無い風景から人のアイデンティティというものは形成されるのかなー」と、都市計画に関わる建築家として何かとても大切な事を教えられた気がしました。



昨日の朝早くバルセロナを出て、この村に着いたのが夕方遅くだったんだけど、一年振りにこの村を歩いていたら、行く先々ですれ違う人達が、「あー、去年来てた日本人のcruasan君でしょ?今年も来たんだねー」と声を掛けてきてくれました。



特に観光名所も存在しない人口500人足らずの村に来たアジア人なんて、どう考えたって僕が初めてだと思うので、そういう意味において皆が僕の事を(アジア人として)覚えてくれていると言うのはそんなに不思議じゃ無いとは思うんだけど、それはそれで結構嬉しかったりしますね。



と言う訳で、今年も又この小さな村で鶏の鳴き声と共に目を覚まし、パン窯で焼かれたふわふわのパンで朝食をとり、庭で取れたフルーツを食卓に並べ、教会の鐘と共にベッドへと潜り込む生活を3週間弱思いっ切り楽しみたいと思います。

約1年振りの田舎生活、今年はどんな事が起こるのか、今から非常に楽しみです!
| バルセロナ日常 | 18:24 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
スペインの新聞(La Vanguardia)のオマケが凄い!ダリ、ミロ、ガウディなど12種類のマグカップ
先月末にサマータイムに移行してからというもの、日に日に暖かくなってきているのが毎日の生活の中で感じられ、テラス席で楽しむワインと海産物がこの上なく美味しいハイシーズンに向かっていく、スペインは正にその喜びの真っただ中にいます。



そんな中、先週金曜日の事、休憩がてら何時も行くカフェでコーヒー飲んでたら、知り合いのバルセロナ市役所IT局長さんにバッタリ!「あー、久しぶり!」とか言いつつ世間話してたら、何故かそのまま某市とのプロジェクト会議に参加する事に。「あ、あれ?」みたいなー。結局そのまま2時間くらい欧州プロジェクトの打ち合わせに付き合わされてしまった‥‥。「なんかついてないなー」とか思ってたら、偶然にもその日は13日の金曜日(苦笑)‥‥って言っても、スペインで縁起が悪いのは「13日の金曜日」じゃなくて「13日の火曜日」って事になってるんですけどね(理由は不明。イタリアでは13日の木曜日という噂も)。

そんなこんなで今週も一週間が過ぎていき、待ちに待ってた日曜日の到来です!実はですね、最近ちょっとした楽しみがあって、地元の新聞(La Vanguardia)がやってる「毎週日曜日に新聞を買って、ダリ、ミロ、ガウディなんかのマグカップを貰っちゃおー」っていう抱き合わせ企画に嵌りまくってるんですね。昔からオマケとかに弱いんだよなー(笑)。で、どうなっているかというと、日曜日に新聞を買って、その新聞に付いてるクーポン+1ユーロをキオスクのおじさんに渡すとその場でマグカップと交換してくれるっていう至極単純なシステム。それが欲しいが為に、毎週せっせと新聞を買ってたんだけど、実は昨日その企画が最終回を迎え、最初から最後まで見事に12個全部揃える事が出来ちゃいました!おめでとー(パチ、パチ、パチ)。そんな僕の汗と努力の結晶がコチラです:



じゃーん!うーん、12個ものマグカップが揃った風景は壮観そのもの!カタルーニャが誇る芸術界の巨匠達、ダリもいればミロもいる!素晴らしいの一言!数多ある作品の中でも、個人的に一番気に入ってるのはコレかな:



ジョアン・ミロ(Joan Miro)が1978年に描いた「人、鳥、星(Personaje, Pajaro, Estrellas)」のマグカップです。淡い青色がマグカップのデザインに凄くマッチしてる素敵な一品に仕上がっています。逆に思い入れがあるのはコチラ:



アントニ・タピエス(Antoni Tapies)が1972年に描いた「カタルーニャ組曲(Suite Catalana)」です。このマグカップが発売された翌週、現代美術の巨匠であるタピエスは他界してしまいました。スペイン中が悲しみに包まれる中、La Vanguardia紙は急遽このマグカップを再度土曜日の新聞のオマケにする事を決定。多くのスペイン人達が買い求めた一品となったんですね。そしてコチラ:



サルバドール・ダリ(Salvador Dali)が1953年に創った「心臓の宝石(El corazon real)」。この作品はバルセロナから電車で3時間程行った町(フィゲラス)にある「ダリ宝石美術館」に所蔵されてるんだけど、個人的にこの作品は傑作中の傑作だと思います。もしカタルーニャに来られる事があったら是非足を延ばして見に行って頂きたい一品です(実際に動いてる姿はコチラ:地中海ブログ:知られざる美術館、ダリ宝石美術館:動く心臓の宝石はダリの傑作だと思う)。



アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)のサグラダファミリア(Sagrada familia)。サグラダファミリアについては今更何も言う事は無いんだけど、昨年完成した内部空間は一見の価値ありかなとか思う(地中海ブログ:まるで森林の中に居るかの様な建築:サグラダファミリアの内部空間)。その他にもスペインを代表する芸術作品が目白押し:



アントニ・ガウディのカサ・バトリョ(カサ・バトリョについてはコチラ:地中海ブログ:ガウディ建築の傑作、カサ・バトリョ(Casa Batllo)その1:カサ・バトリョに展開する物語を見ていて思う事)。



サルバドール・ダリ(Salvador Dali)が1949年に創った「時の目(El Ojo del Tiempo)」。



アントニ・タピエス(Antoni Tapies)が1990年に描いた「4つの年代(Las cuatro cronicas)」。



アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)の「グエル公園(Parque Guell)」。



サルバドール・ダリ(Salvador Dali)が1961年に創った「時の象(El elefante espacial)」。



ジョアン・ミロ(Joan Miro)が1974年に描いた「星空に向かって羽ばたく人々の手(Manos volando hacia las constelaciones)」。



アントニ・タピエス(Antoni Tapies)が1991年に描いた「椅子(Silla)」。



ジョアン・ミロ(Joan Miro)が1968年に描いた「お日様の元の主人公(Personaje delante del sol)」。

こんな魅力的な作品が目白押しの12個のマグカップなんだけど、スペイン人と言えども12個集めた人はそれほどいないのではないでしょうか?っていうか、普通はこんなマニアックな事しないってだけだと思うんですけどね(笑)。10年後くらいに鑑定団に出せるかなとか密かに思ってます(笑)。
| バルセロナ日常 | 17:10 | comments(8) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
新年あけましておめでとうございます2012
新年あけましておめでとうございます。



2012年の始まりを今年はバルセロナの自宅で迎えています。何を隠そう年末年始にスペインにいるのは結構久しぶりで、今年はクリスマスから続く一連の伝統行事を「これでもか!」と楽しみながらの年明けとなりました。ちなみに上の写真はバルセロナの新名所、フランス人建築家ジャン・ヌーベル氏設計によるアグバータワー(地中海ブログ:アグバー・タワー(Torre Agbar):ジャン・ヌーベル(Jean Nouvel)の建築)。コンピュータ制御されたイルミネーションが次々と色を変えていき、新年を迎えるのに相応しい「楽しさ」を醸し出していました。

日本には年越しそばや、紅白歌合戦といった伝統的な年越しの文化があると思うのですが、ここスペインにも古くから伝わる伝統的な年越しの慣習があります。それがコチラ:



スペインでは除夜の鐘よろしく、マドリッドの教会が0時を回った次点で12回鐘を鳴らすのですが、その鐘と同時に12個のブドウを食べると一年幸せに過ごせるという言い伝えがあるんですね。だからスペインの一般家庭では年明けが近づくと、上の写真の様に机の前に12個のブドウを用意するっていう光景が見られるんだけど、鐘の音に合わせて食べるっていうのが結構難しかったりします。何でかって、鐘突くの早過ぎなんで(笑)。

さて、地中海ブログも今年で6年目を迎える事が出来ました。

新年を迎えると同時に心意気を新たにし、今年は積極的に新しい事に挑戦し、去年に負けないくらいの飛躍の年にしたいと思っています。いや、絶対そうします!そして今年も「楽しい人生」、「豊かな毎日」を送る事をモットーに毎日全力で生きていこうと思っています。

地中海ブログも昨年同様、僕の独断と偏見で勝手な事を書き続けていこうと思っているのですが(笑)、引き続きご愛読頂ければ幸いです。

当ブログの読者の皆さんにとっても素敵な年になりますように。そして今年も宜しくお願いします!

Happy New Year!
Feliz Año Nuevo!(スペイン語)
Bon Any Nou!(カタラン語)
| バルセロナ日常 | 08:04 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
地中海ブログ、今年最も読まれた記事ランキング2011
早いもので、今年もあと残すところ2日となりました。師走という言葉通り、年末は何かと忙しくて、かくいう今日も朝から打ち合わせの為にカタルーニャ音楽堂へ。



年末、しかも結構朝早かったので、あまり乗り気じゃなかったんだけど、仕事だからしょうがない。「チェ!」とか思いながらも現場へ着いたら、思いがけずミーティングの前に副館長さんがコーヒーとクロワッサンを御馳走してくれた(嬉)。更に、何時もは館内撮影禁止なんだけど、「今日は特別」という事で、ホールの写真も撮らせてもらえる事に。早起きして来た甲斐があったなー。

さて、色んなブログを見ていると、年末という事もあって、何処のブログも「今年最も読まれた記事ランキング」とかやってるので、ちょっと僕もやってみる事にしました。と言う訳で早速、第五位:



第五位:「まるで森林の中に居るかの様な建築:サグラダファミリアの内部空間

去年の11月に行われたローマ法王の訪問に合わせて急ピッチで内部だけ完成させたサグラダファミリアの内部空間をレポートした記事。この内部空間は本当に凄くて、一般の人はもとより、建築家も「一見の価値ありかも」と思わす何かがあります。そう、まるでナウシカの腐海の奥底に居るかの様な感覚さえ催す程です。 そして今年の第四位は:



第四位:「ヨーロッパの公立大学の授業料について

ヨーロッパの大学情報って、アメリカの大学に比べたらやっぱりまだまだ未知な部分が多くって、特に授業料やコース終了後に授与されるタイトルが国や地域によって全く違うので、今後留学したいという学生さんなどに人気のある記事なのかなー?と思います。日本の若者の皆さんには、是非元気よく海外に出て行って活躍して欲しいものですね。 そして今年の第3位は:



第三位:「映画:愛を読む人(The Reader):恥と罪悪感、感情と公平さについて

 一昨年書いた映画評なんだけど、常に一定のアクセス数があって、大変息の長い記事となっています。コメント数も50を超えていて、それだけこの映画が人々の心を打ったという事でしょうね。本当に良い映画で、何度でも見たくなります。超おすすめ! そして今年の第二位は:



第二位:「スペインの新聞、La Vanguardia紙に載った村上春樹氏のインタビュー全訳

世にも珍しい村上春樹さんのインタビュー記事の全訳が堂々の第二位にランクインです。特に1Q84の続編を示唆した事は、このインタビューで初めて明らかになった事であり、この記事をアップしTwitterに投稿した瞬間に、まるで一点から波紋が広がっていくかの様に、瞬く間に波及していったのは、僕にとっては忘れられない体験でした。翌日には日本の主要新聞も、この記事を参考にした記事を載せてましたしね。「一次情報の出所がとうとうブログに移ってきたのか!」という事を身を以て体験した瞬間でもあったかな。 そして今年堂々の第一位は:



第一位:「スペイン人に教えてもらった、誰にでも出来る美味しいパエリアの作り方

この記事は今の所(12月30日現在)、はてなブックマークが約2800個程付いていて、はてなブの週間ランキングでも第3位にランキングしていました。日本人の皆さん、パエリア大好きですからね。納得の結果です。

と言う訳で、今年の地中海ブログ、最も読まれた記事ランキングはこんな感じになりました。 振り返ってみると、今年も色んな記事を書いてきたなーとちょっと感慨深いかな。一年のまとめの意味でも面白いので、来年もこのランキングシリーズは続ける事にしよう。
| バルセロナ日常 | 06:16 | comments(1) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
今日はクリスマス!:本場ヨーロッパにおけるクリスマスの知られざる真実の姿
今日はクリスマス!いつも何気なく横を通っているサグラダファミリアも、今日ばかりはスペイン人達のお祈りの力が届いているのか、いつもより輝いて見えるかな:



日本ではクリスマス、特に24日のクリスマスイブというのは「一年の内で最もロマンチックな夜」とか言う事になってて、街中には恋人達が溢れ、「ちょっとお洒落なレストランで食事を」とか、「大切な人にプレゼントを買って帰るかな」という人が多いかと思うんだけど、本場ヨーロッパのクリスマスと言うのは、何を隠そうコレとは全く逆なんですね。



そう、ヨーロッパにおける12月24日そして25日というのは一年の内で街中が最も静まり返る日であり、街路という街路から人影が一人残らず消える日、それがヨーロッパにおけるクリスマスという日の実態なのです。特に24日の午後5時頃からお店はどんどんと閉まり始め、24日の夜に開いてるレストランやカフェなんて殆ど無いくらい!だから「本場ヨーロッパでロマンチックな夜を」とかいう幻想を抱いて来た日本人の皆さんが辿る道と言ったら、何処のレストランも開いてなくて、挙げ句の果てには世界的に有名なMのマークの超高級レストランでマックバーガーをかぶりつくっていう惨めなクリスマスになる事は間違いありません(笑)。ちなみに下の写真はサグラダファミリア前店。サグラダファミリアがドアップで見える、この店の立地だけは本当に高級レストラン並み(苦笑)。



では何故クリスマスには街中から人が消えるのか?

何故ならヨーロッパにおいてクリスマスとは「家族みんなでキリストの誕生を祝う日」だからです。だからこの日ばかりは、公共空間で海産物やワインを楽しむ事が大好きなスペイン人と言えども、お爺ちゃんやお婆ちゃんの家に家族全員が集まって、こんな感じのスペインの家庭料理を、それこそ夜中まで家の中で楽しむ事が伝統となっているんですね(下の写真はメイン料理の前のつまみ、おなじみのイベリコ豚の生ハムなど。この後、スープ、サラダ、魚、肉、デザートなんかが「これでもか!」って言う勢いで出てくるんだけど、もう前菜でギブアップみたいな):



さてこんなクリスマスなのですが、僕がクリスマスと聞いて思い出す事と言えばやっぱりコレかな:

 

そう、僕が小学生の頃にテレビで良く流れていたJR東海クリスマスエクスプレスのCMです。特にこの牧瀬里穂のバージョンは歴史に残る傑作だと思いますね。

このCMを見てると、ホンのちょっと前まではネットや携帯なんか無くて「今とは全く違う社会が存在していたんだよなー」という事を思わずにはいられません。

確かに僕達の社会はテクノロジーの進歩のおかげで昔に比べて格段に便利になってきたし、その利便性のおかげで効率的な社会になってきつつあるとは思います。しかしですね、不自由だからこそ感じる事が出来る幸せ、不便だからこそ与えられる、もしくは与える事が出来る「喜び」って言うものも確かに存在すると思うんですよね。特にこのCMの牧瀬里穂の様に、携帯電話が無くて連絡がつかないからこそ生じる「待つ事の喜び」みたいな。そしてその様な感覚は、携帯電話が無い時代を知っている僕達の世代ではなく、産まれた時から携帯電話を持っている世代、それらのテクノロジーが空気の様に存在している世代にこそ深刻に生じる問題なのかも知れません。

「果たして僕達の社会はテクノロジーの進化と共に幸せな方向に向かっているのか、もしくは効率性と引き換えに、人間としての大切な何かを失いつつあるのか?」

携帯電話さえない時代のCMを見ていて、そんな事を思ってしまいました。
何はともあれ、

Merry Chrismas!
Feliz Navidad! (スペイン語)
Bon Nadal!(カタラン語)
| バルセロナ日常 | 01:15 | comments(4) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
スペインの松坂屋、エル・コルテ・イングレス(El Corte Ingles)とルクエ(Lekue)
今週スペインは、火曜日(12月6日)が憲法記念日、木曜日(12月8日)が聖母受胎告知で祝日の為、役所や企業などに勤める多くの人がそれら祝日の前後(月曜日、水曜日そして金曜日)をお休みにするという裏技を使って(笑)、「10連休」というちょっと長めの休暇を満喫しています。「えー、夏休みでもないのに10連休?!」とかいう声が聞こえてきそうなのですが、10連休なんです(笑)。しかも2週間後にはクリスマスを含むコレ又2週間近くの冬休みも控えてますしね。「何時働いてるか分からない」、そう、これこそスペインで働く醍醐味なんです(笑)。

そんな中、僕はというと先週まで余りにも忙しくて全く手が付けられなかった「スペイン以外の仕事を進めちゃおう」と休日にも拘らず働く羽目に(悲)。家では全くやる気がしないので「図書館に行こう」と思い立ち、ビーチでお昼を食べた後、近くの大学図書館へ行ったらビックリ:



図書館の隅から隅まで学生達で一杯じゃありませんかー!「な、何故だー!連休中なのにー!!スペインの学生ってこんなに勉強熱心だったか?」とか思ってたら、どうやら連休明けに試験が控えてるらしい。な、何だ、そういう事ね(なんかホッした)。で、折角来たのに席が無く、俄然やる気がなくなっちゃって、更にお天気も良いので「散歩しよう!」と街中を歩いてたら今日2度目のビックリ!休日にも拘らずスーパーが開いてるじゃないですか!!祝日にスーパーが開いてるなんて「何事だ?」とか思ったので、思わず定員さんに「何で?」って聞いたら:

「コルテ・イングレスが開いてるからよー」

とか言う答えが返ってきた。 コルテ・イングレスというのは、スペインに君臨する大型デパートの事で、多分日本で言う松坂屋とか、そんな感じの位置付けになると思うんだけど、スペインにおけるコルテ・イングレスの存在感というのは物凄くって、ある意味、スペイン商業界を牛耳ってると言っても過言ではないと思います。象徴的なのが、コルテ・イングレスが休日営業する日にはFNAC(フランス系の大型デパート)も営業するし、街中のスーパーも営業するみたいな。



そんな強大な権力を持ったコルテ・イングレスはバルセロナ市内に5店舗あるんだけど、その内の一つ、カタルーニャ広場に面しているコルテ・イングレスは、何を隠そうカタルーニャが誇る大建築家、ラペーニャ&エリアス・トーレスが改修を担当しました(地中海ブログ:マドリッド旅行その4:ラペーニャ&エリアス・トーレス(Jose Antonio Martinez Lapena and Elias Torres)の建築その1、地中海ブログ:あまり知られていないバルセロナ近郊にある名建築:ラペーニャ&エリアス・トーレスによるCastelldefels城へと続くアプローチ空間)。



更に、ディアゴナル大通りを山の手に上って行った所にあるフランセスク・マシア店はボイーガス率いるMBMのデザインなんですよね(地中海ブログ:オリオル・ボイーガス(Oriol Bohigas)による伊東豊雄批判について思う事:バルセロナ国際見本市会場(Fira Barcelona)とSuite Avenue)。

で、先日所用でカタルーニャ広場にあるコルテ・イングレスに行ったら、何か知らないけど調理器具売り場の辺りに日本人観光客がやたらと群がってるのを発見。「何だ、何だ?」とか思って覗いてみたらコレでした:



そう、言わずと知れた日本で大人気(らしい)ルクエです。ちょっと見てたら、日本人のおばちゃん達が、各自両手に抱えきれないくらい大量のルクエを買い込んでいました(苦笑)。



ルクエなんて僕の住んでるアパートの下にある普通の食器屋さんにも山積みで置いてあるくらいなんだけど、「まあ、そんなに話題ならこの機会に一つくらい買ってみるか」という事で、ニンニクの皮むき機を購入してみる事に。



説明によると、この中に皮付きのニンニクを入れて、ゴロゴロと転がすと、簡単にニンニクの皮が剥けるとか書いてある。



「本当かー?」とか思いつつ、説明通りにニンニクを入れてゴロゴロと転がしてみたんだけど、これ、結構力を入れてゴロゴロやらなきゃいけなくって、思ったよりも労力がいる事が判明。



確かに皮が剥ける事は向けるんだけど、こんなに押さえつけなきゃいけないんだったら、包丁で皮向いて手を洗った方が手っ取り早いかな。



連休中に何度か試したけど、うーん、やっぱり相当ゴロゴロやらないと無理みたい。という訳で、お蔵入り。

ちなみにコレを買った後、ちょっと疲れたので休憩がてら屋上にあるレストラン兼カフェに行ったら、そこでも又々ビックリ!



カタルーニャ広場を見下ろす大パノラマが広がってるじゃないですか! 僕はバルセロナに11年住んでるんだけど、コルテ・イングレスのカフェに来たのは今回が始めて。まさかココにこんな絶景が広がっているとは思っても見ませんでした。場所も良いしコーヒーもそんなに高くないし、観光に疲れたらバルセロナの街並を見下ろしつつ、こちらで休憩するのも悪くないかもしれません。流石スペインの誇る松坂屋、コルテ・イングレス!恐るべしです。
| バルセロナ日常 | 06:14 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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